Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本年度は,プランの内的表象の特徴およびプランに関する知識構造と内的表象の関係について,実験的な検討および理論構築をおこなった. 実験的検討から導き出されたプランニング過程の特徴は以下の2点である. 1.時間情報をともなう'自己プラン'の記憶とタイムスキーマに関連がある 2.自己の具体的なプラン遂行状況をイメージした場合に高い記憶成績が示される 上記のような実証的検討に引き続き,そから得られた結果および議論を概括し,そこから導き出されるプランの記憶の認知処理に関して,理論構築をおこなった.プランニングには2種類の認知的処理,すなわち,タイムスキーマに基づく処理と,具体的なプラン遂行状況の推論が含まれると想定され,それぞれ'意味的予測'と'エピソード的予測'過程として解釈した. これまでの展望的記憶研究(とくに厳密な実験室実験を用いた検討)では,与えられた課題に対して,その場面で利用できる手がかりの効果や,その場面で制限されている認知的資源(注意など)の影響のみが検討されてきた.それに対して,本年度得られた結果および理論では,'未来'の行為を円滑に遂行するためには,'過去'の知識や'未来'の具体的な推論を用いた予測活動が重要な役割を果たしていることを明らかにした.このように,本年度の研究から得られた成果は,プランの記憶には,プランが遂行以前の段階でどのように符号化され保持されているかが重要であり,さらにそのような符号化・保持過程がプランの遂行に大きな影響を与えていることを指摘したものである. なお,本年度は査読論文および紀要論文各1本が公刊され,査読論文および紀要論文各1本が印刷中である.また,学会発表4件をおこなった.
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