マゼラン銀河における星・星団形成についての観測的研究
Project/Area Number |
01J01283
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 範和 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | マゼラン銀河 / 電波天文学 / 電波望遠鏡 / ミリ波観測 / 超伝導受信器 / 分子雲 / 星団形成 / 超伝導受信機 |
Research Abstract |
今年度は「なんてん」によって検出された巨大分子雲に対し、以下にあげる様々な多波長観測を遂行、星団形成に密接に関連した高密度ガスの構造や性質、さらには分子雲中に深く埋もれた誕生したばかりの星団を捉えることを目指した。 ○なんてんのフォローアップ観測 「なんてん」のフォローアップとして観測を行った、より空間分解能の高いSEST15m鏡による観測データを解析した。すでにこの2年間で計400時間もの観測時間を得て、良質のデータを取得した。10pcの分解能で個々の巨大分子雲の内部構造を明らかにした結果、星形成が起きている分子雲日ほど高温・高密度の状態にあること、高い分解能で見ると星形成を起こしている分子雲においても、若い星団やHII領域の位置と分子雲のピーク位置がほとんど一致しないことが明らかになった。現在、これらのデータのカタログ化、さらには理論モデルとの比較なども行い、解析、論文にまとめているところである。速報を2003年9月にスイスで開かれた国際学会にて招待講演として発表した。さらに、このデータをもとにチリのアタカマ高地にある国立天文台のASTE望遠鏡を用いた観測もおこなった。この望遠鏡の分解能は、マゼラン銀河の距離で約1-2pcに相当する。この高い空間分解能で、マゼラン雲からの中性炭素原子スペクトルの検出に成功した。中性炭素原子スペクトル強度の強い位置が一酸化炭素分子スペクトルのピークからずれているなど興味深い結果が得られたほか、小マゼラン雲においてはじめて中性炭素原子スペクトルの検出に成功した。 ○赤外線観測 マゼラン銀河における星団形成機構を理解するためには、星団の形成母体である分子雲の研究を進めるだけではなく、分子雲で誕生したばかりの原始星団を捉え、その性質を明らかにすることも、必要不可欠である。これまでの赤外線観測では、分解能や感度、吸収の影響で検出することができなかった数多くの原始星・星団候補天体が、近年の近赤外線サーベイや、赤外線天文衛星ASTRO-Fによって検出されることが期待される。南アフリカに設置された名古屋大学の近赤外線望遠鏡を用いて、JHKバンドによるディープサーベイを小マゼラン雲のウィング領域に対して行った。大マゼラン雲については、すでに30Dor領域下部について、近赤外線のデータと突き合わせたところ、ほとんどの分子雲には、若い原始星候補天体がみられず、星のない巨大分子雲の存在が改めて際立つようになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)