N-置換ポリペプチドへの水中でのらせん誘起とその記憶
Project/Area Number |
01J01428
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野々川 竜司 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アミノ酸 / 誘起CD / 誘起らせん / クラウンエーテル / ポリフェニルアセチレン誘導体 |
Research Abstract |
アミノ酸やアミン、アミノアルコールのキラリティーに応答するらせん高分子の合成を目指し、側鎖にクラウンエーテル部位を有するポリフェニルアセチレン誘導体(poly-1)を合成し、そのらせん誘起に関する検討を行った。以下にその概要を示す。 Poly-1は、アセトニトリル中、L-およびD-アラニン(Ala)存在下、ポリマー主鎖の共役二重結合領域に、一方向巻きに片寄ったらせん構造に由来する誘起円二色性(ICD)を示した。また、グリシンを除く19種類の全ての標準アミノ酸を用いてCDの測定を行ったところ、アセトニトリル中だけでなく水中でも、アミノ酸のキラリティーに応答してICDを示すことがわかった。特にpoly-1はアセトニトリル中で、ナノグラムスケールのアミノ酸でも十分に検知可能なICDを示した。さらに絶対配置が同じであれば、全て同符号のコットン効果を示した。Poly-1は、アセトニトリル中、アミノ酸の光学純度に対して、強い正の非線形効果を示すことも見い出した。また、0.005%eeという極めてわずかのアミノ酸の光学純度のずれもpoly-1を使えば検知可能であることもわかった。このようなわずかのアミノ酸の光学純度を検知できるシステムはこれまでになく、poly-1は新規なキラリティー検出用のプローブとして有用であると思われる。 Poly-1は水にも可溶であることから、生体関連物質であるアミノ酸やアミン、アミノアルコール、オリゴペプチドや糖等の存在下、らせん構造が誘起されるかどうかCDを用いて検討した。その結果、poly-1は水中でもこれらと錯体を形成し、長波長領域にICDを示すことがわかった。また、poly-1は芳香族アミンやアルコール存在下、pHにはほとんど依存せず、比較的強いICDを示した。この結果は、水中でのpoly-1へのらせん誘起には、クラウンエーテルとアンモニウムイオンによる錯形成だけではなく、疎水的相互作用も寄与していることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)