「エイズの偏見と差別」の低減に及ぼす少数派の影響についての実験社会心理学的検討
Project/Area Number |
01J01525
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
教育・社会系心理学
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西 和久 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員PD
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | エイズに対する態度 / 支持的・援助的態度 / 忌避的態度 / 偏見的態度 / 少数派影響 / 交渉様式 / 意見の極端さ / 発言様式 |
Research Abstract |
【文献的研究】MoscoviciおよびMugnyを中心とする少数派影響研究の文献レビュー、エイズに対する偏見を扱った態度研究の文献レビューを行い、先行研究の問題点を整理した。また現実社会における少数派グループがエイズ問題に対してどのようなアクションを行っているかに関しても文献調査を行った。 【調査的研究】エイズに対する態度構造を検討するため、2つの社会調査を実施した。(1)質的調査に準拠する形でリカート型の態度尺度を作成し、態度構造に検討を加えたところ、エイズに対する態度が「患者に対する支持的・援助的態度」「患者に対する忌避的態度」「エイズ全般の偏見的態度」の3因子構造をもつこと明らかにされた。(2)前述のリカート型態度尺度と、自由記述法で測定された態度および投影的方法であるケース・ビネット法で測定された態度の関連性を検討したところ、リカート型態度尺度はエイズの多面的な態度を網羅的に捕捉しうる尺度であることが確認された。 【実験研究】少数派がエイズに対する態度にどのような影響を及ぼすかを検討するため、2つの実験室実験と1つの再分析を実績した。その結果、(1)少数派が被験者の態度と一致した順態度的少数派である場合は、柔軟よりもむしろ頑強な交渉様式をとる少数派の方が影響力が強いことを確認した。この結果は、諸外国の少数派影響研究では見出されなかった新たな知見である。(2)少数派の交渉様式の柔軟-頑強の要素を「意見の極端さ」と「発言様式」の直交する2要因に分離して実験的検討を行った結果から、「意見の極端さ」よりも「発言様式」の要因の方が影響力の規定因となっていること、さらに「発言様式」の頑強な少数派が特に影響力が強いことを確認した。(3)少数派影響の認知的媒介過程については、思考リスト法を用いた実験により検討を加えた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)