Project/Area Number |
01J01966
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied optics/Quantum optical engineering
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
滝口 由朗 静岡大学, 工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 半導体レーザ / 戻り光 / カオス同期 / 注入同期 / 直接変調 / 変調帯域 |
Research Abstract |
昨年度において、光注入同期による半導体レーザの直接変調帯域の拡大効果について数値計算により解析を行った。その結果、通常のマスター・スレーブ配置とスレーブ側において戻り光がある場合の両者において、帯域拡大効果が得られることがわかった。また、カオス秘匿通信系へ応用可能であることがわかった。しかし、戻り光がある場合の注入同期条件やその特性、また、カオス同期現象発生のメカニズムという点に関して、未解明な点が多数残されていた。そこで、本年度は戻り光を有する系での光注入同期について、さらに詳細な理論解析を行った。 まず、理論式から注入同期条件を導出した。そして、小信号解析を行い、安定な注入同期状態が得られる領域を数値計算により求めた。その結果、戻り光の存在により、光周波数の同期境界線が、正弦波状に周期的に変化することがわかった。この周期は、戻り光の遅延時間に対応する。また、このときの変化振幅は戻り光量に依存するため、カオス状態に対応するような条件下では、注入同期領域はストライプ状の分布となることがわかった。 次に、一般に戻り光位相と呼ばれている、半導体レーザ活性層と戻り光との光周波数レベルでの位相差に対する依存性について解析を行った。その結果、同期境界が移動するのと同時に、安定同期境界の位置も大きく変化することがわかった。また、安定同期領域の分布が、戻り光半導体レーザにおける戻り光位相依存性と同様の傾向を示すことがわかった。このことは、光注入同期の手法を戻り光半導体レーザに適用することにより、高次元性を有した高速(広帯域)カオス信号を発生可能であることを示唆しており、高速カオス信号発生器という新しいデバイスの開発につながる成果である。 以上から、戻り光を有する系における注入同期現象の同期条件、同期特性が明らかにした。この成果は、カオスダイナミクスという観点だけにとどまらず、広範囲にわたる応用分野において有効な知見であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)