Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
昨年度,三脚型四座配位子tpa(tris(2-pyridylmethyl)amine)の3つのピリジル基の6位の全てにメチル基を導入した配位子Me_3-tpaを用い,その銅(I)錯体と酸素分子との反応性を検討した結果,高原子価ビス(μ-オキソ)二核銅(III)錯体が生成すること,さらにはこのビス(μ-オキソ)種が出発錯体である銅(I)種と平衡にあることを見出した.本年度,本研究ではMe_3-tpaの6-メチルイミダゾリル基を2-メチルイミダゾリル基に順次置き換えた新規三脚型四座配位子を設計・合成し,ピリジル基の6位のメチル基とイミダゾリル基の2位のメチル基の立体効果の違いが銅(I)錯体と酸素分子との反応性に与える影響について検討した.イミダゾリル基の数が1つ及び2つの場合,その銅(I)錯体と酸素分子との反応ではMe_3-tpaと同様,ビス(μ-オキソ)錯体が生成した.また,その反応性はイミダゾリル基の数が増えるに従って増大することがわかった.一方,3つのサイドアームの全てをイミダゾリル基に置き換えた配位子を含む銅(I)錯体の反応では,錯体濃度に依存してトランス(μ-1,2-パーオキソ)二核銅(II)錯体ならびにスーパーオキソ単核銅(II)錯体が生成することがUV-visスペクトル並びに共鳴ラマンスペクトルの測定より明らかとなった.以上の結果はイミダゾリル基の2位のメチル基はピリジル基の6位のメチル基と比べて,金属イオン中心に及ぼす立体的影響が少ないことを示唆している.これは,それぞれの配位子を含むクロロ単核銅(II)錯体のX線構造解析の結果からも支持された.以上,2-メチルイミダゾリル基を用いることにより,銅(I)錯体と酸素分子との反応性を精密に制御することに成功した.
|