反証可能な統語理論構築を目指して-意味解釈の二つの源:言語機能と言語外認知装置
Project/Area Number |
01J02196
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
言語学・音声学
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Research Institution | Kyoto University (2002-2003) Kyoto University of Foreign Studies (2001) |
Principal Investigator |
林下 淳一 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | スコープ解釈 / 取り立て助詞 / 省略構文 / 受動文 |
Research Abstract |
本研究の基盤となる仮設は、スコープ解釈に(i)言語表現自体が持つ意味のみによって可能になるものと(ii)言語表現が持つ意味に状況等に基づく推論が加えられて初めて可能になるものがあるということであり、その方向性の妥当性を私の過去の論文で示してきた。この仮説に基づくと、スコープ解釈に基づいて言語構造、言語装置の仕組みを分析する場合、(ii)の可能性を排除し(i)だけに言及する必要があり、(i)と(ii)を峻別するための分析方法の解明は不可欠である。 本年度の成果として主に以下のものがあげられる。 1.上記の(i)と(ii)の解釈方法並びその峻別方法をまとめたものを図書としてOxford Pressに投稿した。この図書は、私の過去の数量詞のスコープ解釈に関する研究を含み、またWH疑問文のスコープ解釈に関しても(i)と(ii)の解釈方法を仮定しなければならない事を示している。 2.取り立て助詞(だけ、さえ等)を含む文は、従来、一般的にスコープ解釈をもつとされてきたが、私の昨年度の研究で、取り立て助詞が名詞の格助詞の(後ろに付くのではなく)前に付く場合(例、花子だけに)は、スコープ解釈を持っていると考えれないことを示した。この研究を、2003年8月にMichigan State Universityで行われたThe 13^<th> Japanese/Korean Conferenceで発表し、Japanese/Korean Linguisticsに投稿した。 3.IP(=節)省略構文のLicensing Conditionは、(i)先行文の中に、省略されたIPと構造と意味の両方が一致する要素が必要という立場と、(ii)意味の一致だけで十分という立場がある。これに対して、本年度の研究では、IP省略と言われているものの中にそうであるものとそうでないものの存在を示し、IP省略と考えれるものだけを考察することにより、(i)の立場の妥当性を示した。そして、その一部を2004年1月にボストンで行われたLinguistic Society Of AmericaのAnnual Meetingで発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)