在宅での高齢者虐待を「実体的」に解決する援助体系の検討
Project/Area Number |
01J02199
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
加藤 悦子 日本福祉大学, 社会福祉学研究科, DC2
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 介護殺人 / 介護心中 / 高齢者虐待 / 規範的解決 / 実体的解決 / 司法福祉 |
Research Abstract |
介護に伴う困難が直接的、間接的な引き金になって生じる殺人や心中(介護殺人、介護心中)の実態を調べ、法的な解決の充実とともに事件が世の中に提起している臨床的な課題そのものの解決について検討した。 (1)介護殺人、介護心中の実態 先行研究からは加害者は何らかの疾病や障害を抱えている場合が多い、何らかの社会資源を利用していた事例が多い等の事実が明らかになった。新聞記事を分析した独自調査からは2000年に生じた親族による暴力、心中事件で、かつ被害者が60歳以上の事件は少なくとも98件は生じており、その約4割が病気、障害など介護が関わる事件であった。事件に見られる傾向や共通点は15年前に行われた先行研究の結果とほぼ一致しており、似たような事件が繰り返し発生し続けている事実が明らかになった。 (2)法的解決の充実 裁判の過程では被告人が自らの犯した行為の意味を考え、心からの反省に至り、更生への意思を持てることと事件が生じた背景を検証し、社会環境に関わる事柄や文化的な事柄など社会で解決すべき問題の克服に向けての手がかりを提起することが重要である。そのためには判決前調査制度の導入が有効と思われる。 (3)臨床的解決のあり方 事件から浮かび上がる諸問題の構造をとらえ、そこに関わる多くの人々や機関の果たすべき役割を明確にし、裁判で見出された社会的文化的課題の解決に向けての取り組みを行うことが求められる。これらはソーシャルワークの重要な一側面と言えよう。事件をきっかけにつながった人々の関係を偶然のものとするのではなく、専門的な社会福祉援助の関係へと転換し、事件の再発防止に向けての地域ネットワークを構築し、機能させていくことが大切である。 これら分析結果をふまえ、日本社会福祉学会(春の研究例会)にて研究発表を行い、日本司法福祉学会誌と日本福祉大学大学院研究論集に論文を発表した。2003年3月には社会福祉学博士を取得した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)