日本アルプスでの永久凍土分布と永久凍土の地形形成作用、植生分布への影響
Project/Area Number |
01J02317
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
自然地理学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福井 幸太郎 東京都立大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 永久凍土 / 立山 / 岩石氷河 / プロテーラスランパート / 地温 / クリープ性変形 / 積雪 / 梅雨 |
Research Abstract |
一般的に深雪や多雨といった気候条件は永久凍土の発達に適していないと考えられている。しかし、豪雪多雨地域での永久凍土の分布や地温状況はほとんど知られていない。今年度は豪雪多雨地域である飛騨山脈北部の立山で永久凍土の分布と地温状況、その形成維持機構について重点的に調査を行った。 積雪底温度観測や年平均地表面温度観測、ピット観測から永久凍土の分布を調査した。その結果、積雪が8〜9月まで残る内蔵助(くらのすけ)カール北向き斜面のプロテーラスランパートや内蔵助岩石氷河上部には永久凍土が存在すること、一方、6月までに積雪から露出する稜線付近の大半は永久凍土を欠くこと、ただし、稜線付近でも標高3000mをこえる岩峰の北面には永久凍土が点在することが分かった。 プロテーラスランパートで2000年10月〜2002年9月まで地温の連続観測(深度0,50,100,130,160,220cm)を行った(以下この観測点をP地点と呼ぶ)。また、内蔵助カール上部の稜線付近で2001年6月〜2002年明まで地温(深度0,50,80,100,150,180cm)と降水量土壌水分の連続観測を実施した(以下この観測点をNP地点と呼ぶ)。P地点では、深度220cmの地温が約2年間0℃以下であった。したがって、P地点の深度220cm付近は永久凍土であることが地温の連続観測から実証できた。また、P地点の永久凍土の活動層は冬のはじめまでに全層凍結した。故にこの永久凍土は少なくとも定義上、現成のそれであるといえる。 立山では、梅雨期に豪雨が頻出する。梅雨前に積雪から露出するNP地点では、豪雨の度に降水が地中へ大量に浸透し、凍結層の急激な融解をもたらす。このため、NP地点には永久凍土が存在しない。一方、P地点では初冬の凍結と積雪下での凍結により凍結層が形成され、夏遅くまで残る積雪が梅雨期に凍結層を降水の浸透による融解から保護する。このため、P地点では永久凍土が存在することが分った。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)