小脳運動学習システムに関連した高次視覚野の眼球運動軌道予測メカニズムの研究
Project/Area Number |
01J02527
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
田端 宏充 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 追跡眼球運動 / 霊長類 / 小脳 / MST野 / 細胞集団 / 眼球運動制御 |
Research Abstract |
近年の眼球運動系を用いた様々な計算論的、生理学的研究により、「小脳は教師あり学習に基づく眼球運動のための制御器として機能するという仮説が実証されつつある。小脳が眼球運動の制御器として機能するなら、小脳への入力は、目標軌道の情報であることが予測される。しかし、特に大脳皮質を解する霊長類に特有の眼球運動に関して、目標軌道がどこで、どのように計算されるのかということは明らかになっていない。この問題に対し、私は、ゆっくり動く小さな視標を追いかける随意性の追跡眼球運動を対象として、目標軌道情報が大脳皮質高次視覚野のMST野で計算されるという仮説を計算理論主導で提案している。今年度は、その具体的な仕組みとして、MST野の再帰神経結合によって生じる細胞集団ダイナミクスを提案し、霊長類のなめらかな眼球運動がシミュレートできることを計算機シミュレーションを使って示した。そして、以前に提案していた、頭の回転によって生じる網膜像のぶれを補償するために生じる反射性の眼球運動、前庭動眼反射のシステムと、追跡眼球運動システムとの融合モデルを提案し、追跡眼球運動の系と前庭動眼反射の系が相補的に働く可能性を指摘した。さらに、動物の眼球運動の記録を行い、その結果がモデルの予測と一致することを確認した。以上の結果から、霊長類の追跡眼球運動のための目標軌道情報は、MST野の再帰神経結合で計算されているという可能性を、計算理論の立場から支持することに成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
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