Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
直交Lie環のsplitした実現の普遍包絡環において,異なる非可換行列式を用いて表されるふたつの中心元の関係を直接証明した.第一の中心元は最近和地輝仁によってcolumn-determinantを用いて与えられたものであり,その固有値が簡単に計算できるという点で非常に重要である.和地はこの元が対称化した行列式で表される中心元と密接な関係にあることも示したが,その証明は非自明なふたつの結果に基づくものであった. この状況に対して私はこれらふたつの中心元の関係を直接示すことに成功した.これは「固有値は容易に計算できるが中心元であることは自明でない元」と「中心元であることは明らかであるが固有値の計算は難しい元」とを結び付けるものであり,逆に和地の元の中心性の問題と対称化した行列式の固有値の計算の問題を同時に解決するという点で優れている. 現在,このような関係をさらに一般的な枠組みに拡張することを計画している.実際,既に計算機を用いた実験を通じてsymplectic Lie環の普遍包絡環におけるPermanent型の中心元については同様の結果が成立することをほぼ確信している.これらの関係式は普遍包絡環の中心元の2種類の表示についてそれぞれの中心性の問題と固有値の計算の問題を同時に解決するという点で注目すべきものである.より難しいと思われるが,直交Lie環の普遍包絡環におけるpermanent型の中心元,symplectic Lie環の普遍包絡環における行列式型の中心元についても同様め結果が期待される.また,和地の結果の原型には直交Lie環の"standard realization"におけるHoweと梅田による結果があるが,両者を含む定理が一般の実現において可能なのではないかと考えている.
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