歴史認識の精神分析的考察-歴史認識論としての精神分析
Project/Area Number |
01J03046
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of thought
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
信友 建志 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 精神分析 / 歴史認識 / ラカン / メディア論 / 多文化間精神医学 / データベース / 多文化間精神療法 |
Research Abstract |
本年度の研究では、前年度に引き続きジャック・ラカンの全著作およびジークムント・フロイトの英語版全集の全文検索システムの修正およびデータ追加が行われた。ラカンに関しては主要著作に収録されなかった未発表講演やインタビューのデータベース化が行われ、より包括的なデータベースとなった。システムは今後はより広い研究者の利用に供するべく、現在WEB上で利用可能な検索システムとしても準備されている。 また、個人の研究としては、社会情報学会における報告によって、情報化社会の主体性の構造の社会学的な見地からの変化の考察を発表した。同時に、『情報文化学会論文誌』に掲載の論文によって、具体的な症例の検討を通じて、情報化社会に生きる個人の心的構造の変化の予兆を考察している。上記二つの考察においては、精神分析的な観点から、主体が自己の歴史との関わり合いのあり方が、メディア化の進む社会においてどのように変容したかが理論的、具体的な方向でそれぞれ考察されている。 さらに、現在『社会学評論』に投稿中の論文においては、移民社会化が進むフランスにおける移民の精神療法の現状とその理論化の一傾向を考察し、現代社会において進行中の一つの社会的な変化において、主体とその歴史との関わりがどのように変化し、それが精神療法の実践現場とその理論化にどのように反映したのかを考察している。 本年度は、前年度までの精神分析理論における主体と主体の歴史との関わりの考察を受けて、上記のようなメディア論、多文化社会論との学際的な研究が進められた。その結果、より具体性、現代性を帯びた方向へその理論を進化させることができた。これにより、より包括的な理論的枠組みの中に、現代的な諸問題を位置づけ、明確な思想史的見通しの元におくことができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)