酸化ストレスが循環器疾患の発症に及ぼす作用機序の解明と予防栄養医学的アプローチ
Project/Area Number |
01J03106
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
食生活
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水谷 健一 京都大学, 総合人間学部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 高血圧 / モデル実験動物 / 酸化ストレス / 糖化反応 / DNAチップ / スチルベン化合物 |
Research Abstract |
高血圧と酸化障害の関連性について、ヒト本態性高血圧のモデル実験動物である高血圧易発症ラット(SHR)を用いた分子生物学的手法を中心として研究を行った。 酸化ストレスの亢進には、様々な因子が関与しているとされるが、特に生体内タンパクにおける糖負荷反応のカスケード、およびその最終生成物であるAGEsの血管、腎臓等の組織への蓄積量の増加が重要な役割を果たしていることを明らかにした。すなわち、SHRでは正常血圧ラット(WKY)と比較して、ポリオール系路の代謝関連酵素のmRNA発現量が顕著に亢進することによって、AGEsの蓄積量が若齢期から既に増加していることを確認した。さらには、AGEs阻害剤の投与がSHR高血圧を顕著に抑制することが観察されるとともに、SHR由来の血管組織から初代培養を行った血管平滑筋細胞がAGEsの酸化障害に対して、よりsensitiveであることが確認され、糖化反応が高血圧発症の一因となっている可能性が示唆された。これらの研究成果は国内外の学会で発表されるとともに、国際的な学術誌であるJournal of Hypertensionにて報告された。 一方、高血圧の原因遺伝子は様々な候補が挙がっているものの、統一した見解が得られていないのが現状である。そこで、SHR-WKY間の副腎、腎臓、血管等で顕著に発現レベルが異なる遺伝子をDNAチップを用いた網羅的解析によって検討した。その結果、KynureninaseやGlutathione S-transferase Ybサブユニット(GSTYb)等がF2世代の血圧と顕著に相関することを見いだした。GSTYbはSHR高血圧への影響は小さいものの、SHR由来血管平滑筋細胞の酸化障害、および増殖性の亢進に重要な役割を担っていることが確認された。これらの研究成果は国内の学会で発表されるとともに、国際的な学術誌であるHypertension ResearchおよびBiochemical and Biophysical Research Communicationsにて報告された。 加えて、様々な食品成分に含まれる抗酸化成分であるスチルベン化合物の一種がSHR高血圧の予防に有効であることを実験的に明らかにするとともに、神戸市で実施されたWHO国際共同研究センターによる疫学調査に参加し、酸化ストレスと高血圧の関連性について検討を行った。これらの研究成果は、海外の招待講演を受けるとともに、学術誌Clinical and Experimental Pharmacology and Physiologyにて発表された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)