Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
まず昨年に引き続き,隙間リブと傾斜隙間リブの熱流動場及び壁面での熱伝達特性をより詳細に検討するために,新たに複数の乱流モデルの検討を行った.モデルとしては,Craftらが提案した非線形モデルが流れの三次元的な渦構造と壁面での熱伝達率を高い精度で予測が可能であると示した.一方で,新たなリブ形状として千鳥配列型隙間リブの提案と評価を行った.現象に関する新たな知見として,隙間リブの設置によりリブ下流のせん断層内でのレイノルズ応力の増大効果と循環流内の竜巻渦が生成される効果により,伝熱効率が低い循環流領域の縮小効果が得られることを示した.また,隙間を流れる流体がリブ下流でエントレイメント効果によって流路中心線上まで引き込まれ,その一部が循環流と合流し,逆流することによって流路下壁面近傍で流れの乱れエネルギーを増進させる.この結果,循環領域内でも隙間のない一般に用いられているリブ形状と比較して伝熱促進効果が得られた.これらの現象を背景に,新たに提案した千鳥配列型隙間リブは,他のリブに比べて,圧力損失の低減効果,面平均熱伝達率の向上,そして流路下壁面での熱伝達率分布の一様性等の向上をもたらすことを示し,ガスタービン翼内冷却法として高い性能を示すことを明らかにした.更に,傾斜隙間リブでは,圧力損失の低減効果と縦渦等の二次渦の生成による伝熱促進効果,そしてリブ背面における低伝熱効率領域の縮小効果により,リブとしての高い総合性能が得られた.これらのトレードオフ問題として,傾斜角約45度が効果的な伝熱性能をもたらすことを示した. 次に,リブ型凹凸流路の層流領域における研究として,凹凸壁で隔たれた二流路と隔壁内の熱伝導をも考慮した数値解析を行い,隔壁の幾何形状やレイノルズ数,そして隔壁内の熱伝導現象の流路の伝熱性能・圧力損失への影響を明らかにした.二流路間において熱が単に隔壁を垂直に横切る方向に伝わるのではなく,隔壁に沿って壁面の熱伝達率の高い領域間を熱が伝わることを明らかにし,リブ型凹凸流路の設計・伝熱性能評価を行う際には隔壁の板厚と材質を考慮する必要がある,という新しい指針を示した.
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