Project/Area Number |
01J03478
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
林学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下八重 秋津 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 急峻な風化カコウ岩山地 / 土砂流出 / 小規模な土石流 / 飽和型の地表流 / 人為的な影響 |
Research Abstract |
本年度の主な研究成果は、風化カコウ岩荒廃山地の裸地斜面における降雨時の流水・土砂移動現象を明らかにしたことである。 従来、植生被覆の乏しい荒廃山地では地表付近の透水性が小さいため、ホートン型の表面流が発生して土粒子の個別運搬による土砂移動が生じると考えられてきた。一方、滋賀県南部の田上山地における荒廃斜面では、地表付近の透水性が大きく土層が薄いため、ホートン型の表面流の発生はまれであり、降雨の大部分が土層に浸透して飽和型の表面流が発生すると考えられている。また、田上山地の裸地斜面および荒廃流域(70〜1800m^2)では凍結・融解によって規定された毎年ほぼ一定の土砂生産(5000〜10000m^3/km^2)があり、リルの形成・発達を伴う土砂流出があるといわれている。これらのことから、田上山地の裸地斜面および荒廃流域では、飽和型の表面流の発生に伴うリルの形成・発達による土砂移動が卓越すると考えられるが、想像の域を出ない。さらに、表面流の発生状況および土砂移動状況を降雨時の観察から明らかにした報告はなく、その実態は十分に明らかでない。比較的大きな土砂流出を発生させる降雨の頻度は必ずしも高くなく、表面流の発生状況と土砂移動状況を降雨時にタイミングよく観察することは容易でないことが一因として挙げられる。 そこで、滋賀県南部の田上山地の若女裸地谷において斜面スケールの人工降雨実験を行い、降雨時の表面流の発生状況および土砂移動状況の実態を明らかにした。その結果、以下の知見が得られた。(1)降雨に伴い斜面部の部において飽和型の表面流が発生する。(2)浅い地中流および飽和型の表面流が集中する地点において、土砂が侵食されてリルが形成される。(3)リル底の侵食およびリルの側壁と源頭部での小規模な崩壊によって供給された土砂は、小規模な土石流となって斜面末端まで流下する。(4)斜面末端における土砂濃度は、降雨強度と流出強度がほぼ定常であっても、突発的で小規模な土石流の発生によって1〜3オーダーほど上昇する。これまで田上山地の裸地斜面における土砂流出は、表面侵食によるものとして扱われてきたが、リルの形成・発達に伴う小規模で突発的な土石流の発生による土砂流出があることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)