Project/Area Number |
01J03496
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Fine art history
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北田 里惠 (2002) 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
北田 理恵 (2001)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | サイレント / トーキー移行期 / 外国映画上映 / 弁士(映画説明者) / 字幕 / 吹替 |
Research Abstract |
1)昨年度に引き続き、国内での網羅的な一次資料(『映画往来』、『映画評論』、日刊紙の映画欄等)の調査によって、サイレント時代からトーキーへの移行期にわたる、日本における外国映画上映の実態とその言説の詳細を研究。この作業によって、例えば、当時の映画説明者たちは、映画館のみならず、1925年から放送が開始されたラジオ放送でも、「映画説明」、「映画物語」と題される多くの番組によって、幅広く活躍していたことが判明した。 2)一方、アメリカ(UCLA及び議会図書館)での調査では、おもにトーキー初期日本で公開された、いわゆる「トーキー」作品の視聴を行った。公開当時、日本の映画言説において「本格的トーキー」と賞されていたこれらの作品の複数は、じっさいサイレント時代の字幕を多く含んだサウンド版であるか、あるいは、サイレントとトーキーの混成された、文字通り「トーキー移行期」的な作品であることが判明した。また、トーキー初期には、当時流行していたレヴューに関わる作品が多いのだが、このレヴューの進行役や登場人物に劇中で簡単な通訳の役割も務めさせて、アメリカでの外国観客へ向けた移行期初期の工夫が読み取れ、日本の弁士を司会者に招いて日本版を製作したといわれる作品の様相も解明できた。さらには、日本で公開された初めての日本語吹替版作品の視聴によって、当時の言説にある「広島なまりの日本語」という評価に大きな疑問を持つのと同時に、日本において吹替版が定着できなかった理由のひとつは、音の再生レベルで問題のない吹替技術そのものではなく、むしろ吹替版日本語の発音の不自然さであるだろうと推測できる。また、日系移民が吹替を担当したといわれるこの作品が、なぜアメリカに残っているのかも含め、その製作過程や配給のルートについては、今後の興味深い研究課題であるともいえる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)