霊長類における顔認識の比較認知論的・比較発達学的研究
Project/Area Number |
01J03674
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桑畑 裕子 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 比較認知科学 / 比較発達学 / 顔認識 / 霊長類 / 比較認知 / 比較発達 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに引き続き、ヒト以外の霊長類であるマカクザル乳児における顔認識を調べる研究をおこなった。 本実験では、刺激に含まれる全体的、あるいは部分的特徴が、被験体の偏好追視反応に与える影響と、その発達的変化を明らかにすることを目的とした。生後0〜2ヶ月齢のマカクザル乳児が実験に参加した。刺激として、以下の4種類の図形を用いた:(1)顔図形(各構成部品の形状と全体的配置が顔様)、(2)部品顔図形(構成部品のみが顔様)、(3)顔配置図形(全体的配置のみが顔様)、(4)縦配置図形(部品も配置も顔様でない)。これらのうち、(1)-(2)、(3)-(4)を組み合わせ、対にして被験体に呈示し、各刺激に対する追視反応を測定した。 その結果、マカクザル乳児は顔のように見える図形に対して偏好を示し、またそうした偏好反応は発達に伴って質的に変化することが明らかとなった。生後0ヶ月齢の乳児は、全体として顔配置をもつ刺激に対してのみ偏好を示した((1)顔≒(2)部品顔、(3)顔配置>(4)縦配置)。生後1ヶ月齢になると、乳児は、全体と部分のいずれもが顔様である刺激に対してのみ、偏好反応を示すようになった((1)顔>(2)配置顔、(3)顔配置≒(4)縦配置)。しかし、生後2ヶ月齢を過ぎると、どの刺激ペアに対しても偏好反応が見られなかった。本実験で示されたマカクザルの結果は、ヒト乳児における顔図形偏好とその発達的変化に極めて類似しており、発達初期の顔認識において、ヒトとヒト以外の霊長類が共通の基盤を有していることを示唆しているだろう。 なお、以上の実験は京都大学霊長類研究所における平成15年度共同利用研究としておこなわれた。 また、本実験は、"Development of schematic face preference in macaque monkeys"として、Behavioural Processes誌で発表された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)