Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
研究代表者らはこれまでに1-置換-2-ブロモ-1,3-ブタジエンとソフトな炭素求核剤との反応が軸不斉ビナフチル骨格をもつ2座のホスフィン配位子binapをもつパラジウム錯体を触媒として進行し,軸不斉アレンを与えることを示した.この反応はπ-アリルパラジウムを経て進む求核置換反応である.ただ残念ながら,高い収率でアレンを与える基質には限定があり,またエナンチオ選択性は最高でも80%ee程度であった.今年度は基質の汎用性を拡張することとエナンチオ選択性を高めることを目的として反応条件の再検討を行った.その結果,binapに替えてよりbite angleの小さいsegphosを用いることにより,いくつかのブロモジエンの反応で90%eeまでエナンチオ選択性を高めることができた.さらにこのパラジウム触媒反応をアレニルメチルシランの触媒的不斉合成に展開した.エナンチオ選択性は高くはないが,アレニルメチルシランの求電子剤との反応の立体化学の解明に用いることができた.アリルシランの反応と同様に,シリル基の反対側から求電子剤が二重結合を攻撃することが分かった.またアルデヒドに由来するアセタールとの反応ではアセタールの効果的な面選択がなされることを見出した.この場合,ブタジエン骨格を含む光学活性なエーテルが生成物になる.このようなパラジウム触媒を用いた不斉アレン合成反応を鍵工程として,軸不斉アレンを含むいくつかの天然物などの全合成に応用する計画である.
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