ダイオキシン類による途上国の汚染と影響に関する環境化学的研究
Project/Area Number |
01J04166
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渡部 真文 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ダイオキシン類 / アジア途上国 / ゴミ集積場 / カラス / ヒト母乳 / マレーシア |
Research Abstract |
ダイオキシン類によるアジア途上国の汚染を、調査した研究は少ないため、昨年度、これらの都市ゴミ集積場で採取した土壌を化学分析に供したところ、高濃度のダイオキシン類が検出された。本年度は、追加地点としてマレーシアのゴミ集積場の土壌汚染を調査したところ、最も高濃度のダイオキシン類が検出された。これらの値は、先進国に比べ明らかに高い値を示し、相当量のダイオキシン類が生成していることが判明した。 このような環境下で、ダイオキシン類によるヒトおよび野生動物への暴露をみるため、インド、カンボジア、ベトナム、フィリピンの集積場周辺からヒト母乳、インドからカラス類を採取した。また、対照群として、集積場から5km以上離れた地点からヒト母乳とカラス類を用いた。分析したすべてのカラスおよびヒト母乳からダイオキシン類が検出され、その汚染がアジア途上国のヒトおよび生態系にも及んでいることが明らかになった。インドの都市ゴミ集積場のカラスおよびヒト母乳中ダイオキシン類蓄積濃度は、対照群に比べ明らかに高くなっており、ゴミの燃焼に伴って発生したこれら化合物が周辺住民や生態系を汚染していることが判明した。ヒト母乳で最もダイオキシン類蓄積濃度が高かったのは、インドの周辺住民で日本など先進工業国に匹敵する高い値であった。次いでベトナムとフィリピンが同レベルであり、カンボジアが最も低値であった。幼児のダイオキシン類一日摂取量を求めたところ、調査したいずれの地域も大人のTDI(一日許容摂取量)を超えていた。 インドのゴミ集積場カラスのTEQ値は、日本の同種に比べ低値であった。これは、日本に比べインドはPCB製剤の汚染が進行していないため、コプラナPCBsの蓄積濃度が低かったことに起因する。 本結果を11月に米国・ソルトレイクシティで開催されたSETAC 23nd Annual Meetingでポスター発表を行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)