Project/Area Number |
01J04466
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
英語・英米文学
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白鳥 義博 慶應義塾大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 18世紀イギリス文学 / 小説発生史(イギリス) / イギリス国家形成史 / 文学の政治性(ナショナリズム) / ヘンリー・フィールディングの作品世界 / 世論と文学 / 犯罪(報道)と文学 / 文学における紳士像 / 18世紀英文学と国家 / 小説とナショナリズム / フィールディングの国家意識 / 世論の政治性 / 小説と世論 / フィールディングの世論観 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、ヘンリー・フィールディングの国家に対するスタンスと、その作品世界の政治性の問題に関して、さまざまな関連図書や資料の収集・分析を進めた。そして、いくつかの重要な作品の解釈作業を中心に研究を行った。まず、メディアと権力、裁判と世論との関係など、国家にまつわるさまざまな重要問題が提起された小冊子「エリザベス・キャニング事件の真相」(A Clear State of the Case of Elizabeth Canning)であるが、この少女失踪事件とフィールディングとの関わりについて、昨年度に引き続きさらに多角的な研究を進めた結果、彼が事件に寄せた関心の強さの意味について、さまざまな解釈を引き出すことが可能となった。フィールディングの世論に関する見解については平成15年5月に刊行された『日本ジョンソン協会年報』27号において論述したが、キャニング事件に密着した研究の成果は、2004年5月下旬に開催される日本英文学会第76回全国大会において報告される予定である(「物語を裁く法廷-エリザベス・キャニング事件とヘンリー・フィールディング」)。そこでも論じられるように、フィールディングの国家観を考える場合、晩年の彼が治安判事と作家という二つの役割を演じ続けた事実はきわめて重要な意味を持つ。国家活動への積極的な関与を原動力とする治安判事の発想を、作家はしばしば裏切り、否定しようとする。(たとえば、「実務からの引退(withdrawal)」を理想とする当時のひとつの紳士像について、作家としてのフィールディングと治安判事としての彼はそれぞれ異なった価値観を有していた。)そしてこの対立や矛盾こそが、フィールディングの作品世界の核なのである。なお、これまでのすべての研究成果を総括した報告が、2004年4月24日に開催される十八世紀イギリス文学・文化研究会第三回例会においてなされる予定である(「フィールディング後期作品における国家と物語の問題」)。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)