アンシアン・レジーム期における兵士のアイデンティティ・表象
Project/Area Number |
01J04932
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
西洋史
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芹生 尚子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | アンシアン・レジーム / 近世フランス / 兵士 / 民衆 / 身体 / 感情 / 制度 / 規律 |
Research Abstract |
18世紀後半の軍事裁判記録に書き残された兵士の言葉を素材として、民衆にとって制度的体験がどのような意味を持つか、行為者の視点から分析を行った。 ブルターニュ地方において捕らえられた脱走兵約1000人の尋問記録をもとにデータベースを作成し、統計処理(社会的出自、年齢、出身地、志願の動機、脱走の動機、識字率など)を行った。 個々の被疑者が法廷において語る際どのような「戦略」「社会的権能」(ボルタンスキー)を駆使するのかを考察するとともに、彼らの意味主張がどのような経験に対応するのか、軍隊に関する法令また将校の証言と交叉させることによって、従来知られていなかったいくつかの事実を確定した。 例えば、アンシアン・レジーム期の軍隊は、近代的軍隊の対比において、その無秩序さ、規範・規律の欠如が強調されてきた。しかし、兵士の言葉からは、演習の過酷さ、検査や点呼の厳密さ、頻繁な処罰への恐怖の感情が読みとれる。例えば兵士には、清潔であることが要求され、衣服のしみ、ほころびは厳罰の対象となる。このような価値観は、元来18世紀の人々にとって未知のものであるが、制度の中に生きる人々がこれを内面化する過程を跡付けた。 また、民衆をめぐる議論との関わりでは、例えばエドワード・ショーターの主張にみられるように、従来、家族にたいする愛情は近代のブルジョワ層に特有のものであり、民衆層の人々には無縁であるとされてきた。が、家族は、脱走のもっとも重要な動機の一つであり、妻子、親との関係を語る兵士の言葉から、彼らの感情表現に光をあてるとともに、家族の歴史のかかる前提に疑問を投げかけた。 研究成果の一部は、18世紀パリにおける軍隊社会の研究で知られる歴史家ジャン・シャニオ引退記念論文集に、発表する機会を得た。
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Report
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Research Products
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