宇宙初期のインフレーション理論に基づく宇宙進化の探究
Project/Area Number |
01J04942
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻川 信二 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | インフレーション / 超弦理論 / 宇宙背景輻射 / ブレーンワールド / 密度ゆらぎ / 非可換時空 / 再加熱 / 量子重力論 / 特異点 / 粒子生成 / 等曲率ゆらぎ |
Research Abstract |
本年度からは、超重力理論に基づく密度揺らぎの計算、インフレーション理論に対する観測からの制限、超紐理論に基づく宇宙進化の解析等の研究を行った。特に、2つのスカラー場が存在する系で、断熱揺らぎと等曲率揺らぎのスペクトラム、2つの揺らぎの相関についての詳細な解析を行い、一般的に超重力理論に基づくインフレーションモデルにおいては、相関が非常に大きくなることを見いだした。この研究により、宇宙背景輻射の温度揺らぎに対する、等曲率揺らぎの存在の重要性が明らかにされた。また、非可換時空の理論に基づくインフレーションモデルの構築を行い、宇宙背景輻射の観測データの情報を用いながら、モデルへの制限を行った。特に、観測的に示唆されているような大スケールでの密度揺らぎの振幅の衰退について、このモデルで説明可能であることを示した。また最近、ブレーン宇宙論に基づくインフレーションモデルに対する観測からの制限をつけることを試み、いくつかのモデルは観測的には好まれないことを示した。 また、宇宙が超紐の理想気体で満たされているような系での宇宙進化について解析的、数値的に調べ、3次元空間のみを大きくし、余剰次元を小さく保つようなモデルの構築を行った。さらにこのシナリオを拡張し、超紐理論の一般的な有効作用を用いた特異点のない宇宙モデルの考察を行い、宇宙が収縮から膨張に転じるような解を見いだした。特にそのような場合、無限の過去と未来において時空の曲率と超紐の結合定数を有限に保つことができることを示した。このことは、超紐理論に基づいて特異点のない解を構成する際に非常に重要な示唆を与えると期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)