出土資料から見た中国内地-周縁構造の成立過程についての研究
Project/Area Number |
01J05078
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
考古学(含先史学)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉開 将人 東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 中国 / 南越 / 嶺南 / 歴史意識 / 空間認識 / 歴史地理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、内地-周縁構造に注目しながら、歴史世界としての「中国」の成立過程を明らかにする点にある。本年度は、昨年度に続き、今日の中国広東からベトナム北部にかけての地域をおもな研究対象とした。近年、これらの地域から数多くの出土資料が報告されているが、それら対する新たな研究成果によって、従来は「中国史」の枠内でその一地方史として注目され、あるいは「ベトナム史」の一部として取り上げられていた古代南越国とその時代のあり方が、実は今日的な中国/ベトナムの枠組みを離れ、それ自体が一体のものとして研究されるべき存在であることが明らかとなった。本年度は、こうした議論を、実証的な内容を持つ論文として発表した(「歴史世界としての嶺南・北部ベトナム」)。また昨年度に続き、この南越以後の時代にも目を向け、一方で中国世界の中に組み込まれ、もう一方でベトナムの独立へと向かう二面性を持った歴史的な過程に注目し、この地域における各時代の歴史意識の変遷過程について検討を試みた。歴史上、広東人は自らの歴史とベトナム北部をどのようにとらえてきたのかという問題について、学界展望を合わせた論文を発表した(「嶺南史における秦と南越」)。さらに本年度は、南越史の研究によって関心をもつに至った彊域の形成と空間認識という問題を、歴史地理をめぐる議論や地図製作の歴史と関連付けて考察を試みる作業に着手した。その初段階の成果と今後の研究の見通しを学会で報告し、参加者の批評と賛同を得た(「『中国歴史地図集』の論理」中国社会文化学会)。この他、上記各テーマの研究に関し、中国広東・広西、および福岡・沖縄・札幌において、実地調査と資料収集、現地研究者との意見交換を行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)