Project/Area Number |
01J05574
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 聡子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 近世史 / スペイン / 移民 / 重婚 / トリエント公会議 / 異端審問所 / 家族 / 手工業職人 |
Research Abstract |
本年度は、(1)史料収集(2)データベース構築(3)論文執筆を行った (1)スペインの各地の文書館において未刊行史料の収集を行った。マドリッド市立文書館(Archivo de Villa)では、国王フェリペ二世への免税申請書の収集。シマンカス総文書館(Archivo General de Simancas)では、誘拐に関する裁判史料、牢獄建設に関する史料、そして兵士の逃亡に関する史料の収集。そしてマドリッド国立歴史文書館(Archivo Historico Nacional)では、教会関係部門の逃亡人(修道士など)に関する史料と異端審問所部門の重婚裁判史料の収集を行った。 (2)これらの史料をもとにデータペースを構築した。 (3)これらの情報をもとに、十六世紀スペインにおける夫婦の絆に関する論文執筆を始めた。 十六世紀のスペインで、失踪した夫に置き去りにされた妻たちの多くは、新たに別の男と結婚し、新しい生活を始めた。一部の人々は重婚の罪で異端審問所に逮捕され、裁かれた。この重婚裁判を読み解くことにより、人々が結婚の絆をどのように理解し、どのように扱っていたのかを論じた。 これまで、十六世紀のトリエント公会議が、十六、十七世紀スペインの民衆の振る舞い方に及ぼした影響はそれほど大きくなかったという学説が主流であったが、(1)と(2)の調査結果によると、トリエント公会議の影響は、結婚の絆を切るとき(つまり、重婚を犯すとき)に多大に受けていたことが明らかになった。 十六世紀スペインの民衆が再婚をするためには、結婚障害がないことを証明すること、例えば、寡婦(寡夫)であること、あるいは未婚であることを証明する必要があった。これができない場合には、身元の偽造をして、寡婦(寡夫、あるいは未婚者)になりすまし、以前の伴侶との結婚の絆を切断して結婚障害をなくそうとしたのだった。トリエント公会議の影響の影響はまさにこの手続きに多大な影響を及ぼし、十六世紀前半、その過渡期、そして十六世紀後半においてその変化が見られた。
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