Project/Area Number |
01J05619
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長瀬 洋之 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 好酸球 / ケモカイン / 遊走 |
Research Abstract |
好酸球集積に関わるケモカイン受容体(CR)発現とその調節機構を明らかにすることを目的とした本研究において、2年間の研究期間に以下の知見を得た。 1.in vivoにおける好酸球ケモカイン受容体発現 実際のアレルギー性炎症組織に集積した好酸球におけるCR発現を検討するために、好酸球性肺疾患患者の気管支肺胞洗浄液(BALFより分離した好酸球でのCR発現を検討し、同一人より同時に採取した末梢血好酸球での発現と比較した。BALF好酸球における発現パターンは、質的には末梢血好酸球と同一であり、新規に局所で発現誘導されるCRは無く、炎症局所での好酸球集積、活性化においてもCCR3が中心的に機能していることが示唆された。また、我々が好酸球上での発現を同定したCXCR4は、炎症局所では発現が増加しており、リガンドのSDF-1への遊走も増強していたことから、炎症局所への好酸球集積におけるCXCR4の補助的な役割も示唆された。好酸球は組織中に流血中の100倍数が存在するとされ、近日、好酸球の恒常的な生体内分布にCCR3/eotaxinが関与していることが報告されている。一方SDF-1/CXCR4システムが誘導する強い好酸球遊走と、生体内の非炎症組織に構築的に広く発現しているSDF-1の分布様態から、正常時の好酸球の生体内分布へのSDF-1/CXCR4システムの関与が推定され、今後の検討課題と考えている。 2.in vitroにおける好酸球ケモカイン受容体発現制御 サイトカイン(IL4,IL-5,IFN-γ)による好酸球CR表面発現制御をFACSを用いて解析した。15種のCRの中でCXCR4のみが強力に発現制御を受けており、IL4,IL-5で完全に抑制、IFN-γで増強された。一方CCR3は恒常的に強く発現しており、殆ど発現制御を受けていなかった。既報のケモカイン産生側の調節と併せると、eotaxin/CCR3はリガンドレベルで、SDF-1/CXCR4系は受容体レベルで作用が調節されていることが示唆された。また、サイトカイン、ステロイドによるCXCR4発現制御は細胞種特異的であることを見出した。好中球は好酸球と異なり、IFN-γで発現が抑制される一方、IL-4は発現に影響を与えなかった。また、ステロイド(グルココルチコイド)は好酸球CXCR4発現を強力に増強し、機能増強も伴ったが、好中球では発現調節作用は認められなかった。ステロイド投与後に末梢血より選択的に好酸球が消失することが臨床的に観察されるが、ステロイドにより好酸球選択的に発現増強したCXCR4を介した非炎症組織への分布移動がこの現象の一部を説明する可能性があると考えられた。
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