B中間子のJ/4粒子とKs中間子への崩壊におけるCP非対称性の定量的測定
Project/Area Number |
01J05870
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization (2002) The University of Tokyo (2001) |
Principal Investigator |
樋口 岳雄 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | CP対称性の破れ / Bファクトリー実験 / 素粒子物理学実験 / 標準模型 / 小林-益川理論 / Belle |
Research Abstract |
CP対称性の破れは小林-益川理論とよばれる理論モデルによって説明されている。この理論の正当性を評価するため、平成13年度では、B中間子の崩壊を用いたCP対称性の破れの研究を行った。B^0→J/ψK_s崩壊を初めとするB中間子の崩壊の中にCP対称性の破れが発見され、その破れの程度を表すパラメータsin2φ_1を測定した結果sin2φ_1=0.99±0.14(統計誤差)±0.06(系統誤差)が得られた。これは小林-益川理論の予想がする通りにB中間子系でCP対称性が破れていたことを発見したものである。平成14年度では、測定に使用するデータ量を前年度の倍以上に増やしsin2φ_1の精密な測定を行った。sin2φ_1の値は他の実験結果を小林-益川理論にあてはめることでその範囲に制約を与えることができる。したがって、精密測定はすべての実験結果が一致するのかどうか、また小林-益川理論がよい近似で正しい理論となっているのかどうかの基礎情報を提供するものである。 データ量の増加にともない系統誤差が統計誤差より相対的に大きくなるため、精密測定用のsin2φ_1の応答関数を研究・構築し系統誤差を押さえ込んだ。とくにB中間子の崩壊時間を測定する上での誤差の評価を重点的に行い、バックグランドイベントの割合とそれがsin2φ_1の測定に与える影響等も精密に再評価した。その結果としてsin2φ_1=0.719±0.074(統計誤差)±0.035(系統誤差)を得た。さらにbクォークのsクォークへの崩壊を用いたsin2φ_1の測定も行った。その値は小林-益川理論では上記のsin2φ_1と同じになると予想されるのだが、β^0→φK_s崩壊において上記の結果から2.1σの確からしさで差異が発見された。これが新しい素粒子理論への糸口なのか統計誤差によるものか、結論までにはなおデータが必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)