Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
[60]フラーレン,Re_2(CO)_<10>および9,10-ジヒドロアントラセンのベンゾニトリル懸濁液を160℃で24時間加熱したことろ,位置選択的多重水素化反応が進行し,5炭素結合型水素化フラーレンレニウム錯体Re(C_<60>H_5)(CO)_3が8%の収率で得られた.本反応は[60]フラーレンだけでなく,その誘導体に対しても有効であった.すなわり,モノ,ジ,トリアルキル化フラーレンに対して,同様にベンゾニトリル中でRe_2(CO)_<10>および9、10-ジヒドロアントラセンを作用させたところ,それぞれレニウム金属および4-2個の水素が導入され,対応する水素化フラーレンレニウム錯体が42-65%の収率で得られた.これらの化合物の構造決定は^1H NMR,^<13>C NMR, IR,元素分析および高分解能マススペクトルにより行った.特に,Re[C_<60>(PhCH)_2PhH_2](CO)_3に関してはよい単結晶が得られ,X線構造解析により詳細な構造を明らかにしている.レニウム金属周辺の構造はReCp(CO)_3と類似しており,5炭素結合型錯体であることが確認された. また,本反応を水存在下で行ったところ,レニウムの導入されていない水素化フラーレン誘導体が得られた.すなわち,過剰量の水存在下でC_<60>(PhCH_2)_2PhHに対する反応を行ったところ,二重水素化反応が進行し,対応するシクロペンタジエンC_<60>(PhCH_2)_2PhH_3が61%の収率で得られた.さらに,この化合物を出発原料として,鉄・ルテニウム・レニウム錯体などが合成できることも見いだした.
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