Project/Area Number |
01J05903
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小舘 尚文 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ヨーロッパ政治史 / 比較政治 / 公共政策 / イギリス政治 / 福祉政策 |
Research Abstract |
比較福祉国家研究というテーマで、主にリサーチ・デザインと資料収集、リサーチデータ技術の習得、データ作成という基礎研究に費やされた。採用後、まず以前から取り組んできた研究を論文として完成させるべく、数ヶ月執筆作業を続け、論考を『国家学会雑誌』に発表することができた。その他、イギリスにおける在外研究中には、シェフィールド・マンチェスターで開催された(2001年11月)日英アカデミー会議にフェローとして参加する機会に恵まれ、'Scottish Devolution : a slippery path towards Consensus Democracy?'と題する発表を行い、まとめた論稿はAnglo-Japanese Academy Proceedings(東京大学国際比較法政センター)に収録された。その後、発表論文とはなっていないが、"Health Care State in Transition : convergence from different welfare regimes?"として、イギリスを中心とする西ヨーロッパの医療改革と政治レジームとの関連について研究の途中経過をまとめた。さらに、昨年、11月、ロンドンでの公共政策分野のワークショップ(Center for Analysis and Regulation of Risk、ロンドン大学主催)では、タイの行政改革を扱うケースについて、コメンテーターとして参加した。今後は、この機に集めたデータ、習得した言語・データ分析の技術を活かしながら、分析・執筆の作業に移っていきたい。第二次大戦後の福祉国家の礎を築いたとされるイギリスであるが、80年代以降の新自由主義的経済政策の台頭でラディカルな規制緩和・民営化が施行された結果、普遍主義的な再配分の要素は大幅に切り捨てられ、現在ではヨーロッパ諸国の中でアメリカに最も近い資本主義経済体制をとっている。この大規模な改革を支えたとされる小選挙区制・二大政党制を貫くイギリス型議会政治レジームにおいて、なぜ、福祉政策(主に医療・社会保障)が民営化されることなく、国家の重要な政策の軸として残されているのか。この大きなパズルを解くべく、形成期と改革期とに分けて、その政治力学の違いをそのほかの諸国との政治システムとの差異にヒントを得ながら分析、論文として近々まとめたいと考えている。
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