Project/Area Number |
01J05968
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西野 晃徳 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 量子多体系 / カロジェロ-サザーランド模型 / 逆二乗相互作用 / 多変数直交多項式 / 上昇演算子 / ノルム計算 |
Research Abstract |
カロジェロ-サザーランド型の量子系(CS系)とは、一次元空間上で粒子間距離の逆二乗に比例する相互作用を持つ量子多体系であり、粒子数と同数の互いに可換な保存演算子を持つ「量子可積分系」の一つであることが知られている。いくつかのCS系においては、ハミルトニアンとこれら全ての保存演算子を同時対角化する固有状態が存在し、この固有状態に従来の一変数直交多項式の多変数一般化が現れることが特徴的である。 本年度は、周期的な空間におけるCS系の一般化として知られるルイセナース模型に対して、識別可能、ボソン的粒子を想定した場合の固有状態とそこに現れる多変数直交多項式、マクドナルド多項式について解析的に研究した。識別可能な粒子を想定した場合のルイセナース模型の保存演算子がダブルアフィンヘッケ代数で与えられることを利用して、これらの保存演算子の固有値を変化させる上昇演算子をこの代数の表現から導入し、全ての固有状態がこの上昇演算子を用いて構成できることを示した。また、この上昇演算子を用いると状態のノルム計算が容易に実行されることを示した。これは、従来のセルバーグ型の積分等を用いた計算方法に比べて、相互作用の強さを表すパラメータに関してより一般の場合に適用できる方法である。さらにこのような識別可能な粒子に対する固有状態の変数を対称化してボソン的な状態を構成し、ボソン的な固有状態のノルム計算を実行した。数学的にはマクドナルド多項式の内積値予想の別証明を与えたことになる。 ルイセナース模型には不純物が存在する場合、三体相互作用が存在する場合などのバリエーションが存在することが知られている。数学的に言えば、この模型はアフィンリー代数のルート系に付随させて一般化できる。本研究で与えられたアプローチにおいて注目すべきことは、それがこのような全てのバリエーションに適用できる一般的な形で与えられていることである。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)