現代日本の排除の構造:上野公園をめぐる人種意識形成の多面的実証研究を手がかりに
Project/Area Number |
01J05999
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 泰正 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 人種 / 都市社会学 / 東京 / 台東区 / アイデンティティ / グローバル化 |
Research Abstract |
今年度上半期は昨年度から継続して、上野観光連盟ならびに上野本富士社交料飲連合会に対しての「上野の国際化とまちづくり」アンケートを集計し、分析することが中心的課題のひとつであった。まったく異なる経営規模・開業年数などの背景を持つ二団体の比較分析により、上野での多文化共生の積み重ねの歴史や、商売上の競合関係がこの地域における日常的なレイシズムと深い関係を持っていることが見出された。この結果は、地域社会学会でも報告するとともに、報告書の形にまとめてフィードバックを行った。今年度下半期には、こうしたフィールド調査に基づいた分析に加えて、理論的・歴史的背景からの考察を深めた。その成果の一端は、池波正太郎らのエッセイにおける表象を題材に、「下町」という不定形の意味システムが持つ二重性を論じたものを『比較文学・比較論集』に掲載決定済みであり、グローバル化と東京都・台東区の観光政策の連関をより理論的に分析した論考を『現代思想』に寄稿する予定である。また、英国出張では、ロンドンの「下町」地域で、(主に)エイジアン・マイノリティの都市文化とアイデンティティを調査し、静的な多文化主義の陥穽を乗り越えうる人種横断的な公共圏形成の可能性を、『「俺たちの音楽」をめぐる困難』に論じた。移民や外国人を迎え入れる側の論理を、上野というフィールドで研究することを主題としながらも、その研究を別側面から補足するものとして、移動する側の論理や意味世界の調査も引き続き並行して行った。その成果の一端は、『移民研究年報』所収の書評、および現在某学会誌に投稿中の『「不法」就労パキスタン人たちのリアリティ』として結実している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)