Project/Area Number |
01J06011
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
美学(含芸術諸学)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
沖本 幸子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 今様 / 白拍子 / 後白河院 / 歌 / 舞 / 声 / 身体 / 神 |
Research Abstract |
文献研究の成果としては、「歌謡の声〜後白河院と今様の声」(日本歌謡研究大系上巻『歌謡とはなにか』)において、今様の声を起点にしながら、当時の理想の声が「細く清らかで息の強い、高くすみのぼる」声であったことを立証し、これが、同じく当時理想とされてきた天地感応の雅楽の音とも共通することを指摘した。その上で、後白河院及び当時の貴族達が、なぜ伝統的な雅楽器ではなく、今様などの生の声に執着したのかという点について、楽器の音と人の歌声に関する説話の比較を通して考察した。そして、声は自分の体内から発せられながら直接天とつながるイメージがあるために、楽器の音よりもより直接的に神仏とつながる感覚が得られたためであろうと結論した。これは、「声とはなにか」という問いに対する一つの答えであると同時に、平安貴族社会の最末期にあって、爛熟を迎えた危機の王権がどのような力を志向したのかという問題に対する一つの見解でもある。 また、「歌から舞へ」(『ZEAMI』2号)では、平安貴族社会から武家社会への転換期に、貴族の宴の中心芸能が「歌」から「舞」へと移り、新しいリズム(乱拍子、白拍子)が流行していくことを指摘した。これは今様のプロの歌い手でもある遊女たちが「歌女」から「舞女」(白拍子)へと変化することとも重なる問題であり、能の源流であるリズム(乱拍子、白拍子)と舞(遊女・白拍子の舞)の成立について新たな見解を示した点で重要である。現在は、その新しいリズムや「舞女」たちが、武士との接点の中で登場していることに注目し、武士という新しい身体と「舞」、「リズム」との関わりについての考察を進めている。 フィールドワークについては、2002年10月11日に、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論の主催を得て、シンポジウム「伝統の知恵を拓く」を開催、沖縄・西表島より染織家を招いて、祭りを支える感性について多角的に考察した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)