Project/Area Number |
01J06359
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied animal science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 昌彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | マウス / 初期胚 / チロシンリン酸化酵素 / Jak2 |
Research Abstract |
細胞増殖や分化のシグナル伝達において、チロシンリン酸化酵素は重要な役割を果たしている。マウス初期胚では、これまで発生の調節に関与するいくつかの成長因子が報告されている(Insulin、IGF-I、EGF、TGF-αなど)。これらの受容体はチロシンリン酸化酵素活性をもち、初期胚のシグナル伝達に関与していると思われるが、その機能は4細胞期以降において明らかにされているだけであり、それ以前の時期、受精後から4細胞期までの発生を調節するチロシンリン酸化酵素についての知見は得られていない。したがって、4細胞期以前の発生を調節するシグナル伝達は成長因子の受容体以外のチロシンリン酸化酵素を介する可能性も考えられる。そこで、受精から4細胞期の発生を調節するチロシンリン酸化酵素を同定し、その機能を明らかにすることにより、マウス初期胚の発生制御機構を解明することを目的として本研究を行った。 これまでの実験から、マウス初期胚においてチロシンリン酸化酵素Jak2が発現しており、本来シグナルを伝達するために細胞膜近傍に存在しているJak2が核および染色体に局在するという新規の知見を得たことから、この移行のメカニズムおよび核内での機能を明らかにするための実験を試みた。 はじめに、染色体への移行のメカニズムを明らかにするために、2細胞期前期におけるJak2の核内での一様な局在に注目した。一般的に2細胞期前期の核内では精子由来、卵子由来の染色体は別々に分かれて局在している。しかしながら、1細胞期におけるJak2の局在は雌性前核に特異的であることから、精子由来の染色体に移行していることが考えられる。そこで、Jak2が精子由来の染色体に移行する時期を調べた結果、分裂期の中期から後期にかけて移行することが明らかとなった。この時期にはクロマチン構造に大きな変化が起きることが知られていることから、クロマチン構造によりJak2の移行が制御されていることが示唆された。このことは雄性前核やNIH3T3細胞の核を未受精卵に移植した細胞では、Jak2は染色体に蓄積しないことからも確かめられ、Jak2の染色体への蓄積はクロマチン構造の違いに依存していることが示された。 つぎに、核内におけるJak2の機能を明らかにするために、DNAのメチル化との関連を検証した。雄性前核のDNAは受精直後に急激に脱メチル化をされる。したがって、雌性前核特異的なJak2の局在はDNAのメチル化に関連している可能性がある。はじめにDNAメチル化が消去される胎生12.5日の始原生殖細胞では核にJak2の局在は認められなかった。また、インプリンティングを獲得する生後5日から20日の卵成長期において、DNAのメチル化とJak2の核局在が同時期に認められることを明らかとした。これらのことから、核に局在するJak2はDNAのメチル化および脱メチル化に関連する機能を持つことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)