Sek1遺伝子変異による胎児肝細胞アポトーシス亢進の分子機構の解明
Project/Area Number |
01J06367
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 健太郎 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ストレス応答性MAPキナーゼ / リン酸化 / 肝形成 / 足場タンパク質 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
ストレス応答性MAPキナーゼカスケードであるJNK/SAPK系は、種々の物理化学的ストレスや腫瘍壊死因子(TNFα),インターロイキン1(IL-1)などの炎症性サイトカインによって活性化され、免疫応答やアポトーシスの制御などに関与する重要な細胞内シグナル伝達経路である。これまでに、JNKの活性化因子であるSEK1を欠損するマウスが、胎生12.5日までに肝形成不全により致死となることから、JNK経路が胎児肝形成過程においても重要な機能を担っていることが明らかとなっている。私は、TNF1型レセプターとSEK1のダブルノックアウトマウスを作製し、同じく肝形成における細胞死を制御するNFκB経路とSEK1を介する経路が異なる機能を有しておりJNK経路が細胞増殖の制御に関与することを示した。また、培養細胞を用いた強制発現系により、JNK上のリン酸化部位であるThr残基とTyr残基のうち、SEK1はTyr残基をより強くリン酸化すること、またMKK7はThr残基を主にリン酸化する傾向があることを明らかにした。 本年度は、以上をふまえて実験を行い、以下に示す知見を得た。 (1)SEK1欠損細胞においてMKK7が主にリン酸化すると考えられるJNKのThr残基のリン酸化が低下していることから、MKK7によるJNKのThr残基のリン酸化にはSEK1によるTyr残基のリン酸化が促進的に働いていることを見出した。このことからSEK1とMKK7が連続的にリン酸化制御することによりJNKは相乗的な活性化型へと移行し、機能を発現することが明らかとなった。 (2)MKK7と結合する分子として新たにfilamin-Aを見出した。このfilamin-AはSEK1とも結合することから、SEK1とMKK7が協調的にJNKを活性化する際に足場タンパク質として機能することが想定され、事実filamin-Aを欠失するメラノーマ細胞においてJNKの活性化が低下していることを示した。 現在は、引き続きfilamin-AがSEK1とMKK7をどのように近接化させているのか、その分子メカニズムの詳細を明らかにするとともに、filamin-AがJNKの細胞機能の発現にどのように寄与しているのか培養細胞系にて解析をすすめている。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)