イネにおける冠水抵抗性の分子機構解明とその応用研究
Project/Area Number |
01J06399
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Breeding science
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 寛之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | イネ / 冠水 / ヒストン / ヒストン脱アセチル化酵素 |
Research Abstract |
ヌクレオソームヒストンのアセチル化は、真核生物のクロマチン内のどの領域を活発に転写するのかを規定する機構のひとつである。高等植物においてもヒストンのアセチル化状態は遺伝子発現と相関があると考えられてきた。しかし、外界からの刺激に応答して遺伝子発現が活性化される場合において、その誘導性遺伝子を含む領域のヌクレオソームヒストンのアセチル化状態が動的に変化するかどうかは分かっていない。イネの根において、alcohol dehydrogenase 1遺伝子(ADH1)は冠水状態でその発現が活性化することが知られている。ここでは、私たちはADH1領域のヒストンH3およびヒストンH4が、冠水状態でアセチル化され、冠水を解除すると脱アセチル化されることを報告する。ヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤を処理するとADH1座位のヒストンのアセチル化程度が上昇し、ADH1遺伝子の発現が活性化した。ヒストンのアセチル化状態をADH1領域についてマッピングした結果、冠水処理によってADH1領域全体が高アセチル化状態となり、特にタンパク質をコードする領域でより大きくアセチル化されていることが分かった。アセチル化状態の経時的な変化を解析した結果、ADH1のmRNAの増加が開始した後にヒストンアセチル化が上昇することが明らかとなった。さらに、イネにおけるヒストンアセチル化酵素(HAT)およびヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の遺伝子発現を解析した結果、2個のHAT遺伝子、および9個のHDAC遺伝子が冠水によって誘導もしくは抑制されることが明らかとなった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)