Project/Area Number |
01J06700
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
寺島 雄一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(宇宙研), 高エネルギー天文学研究系, 学振特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 活動的銀河核(AGN) / X線 / 放射機構 / 降着円盤 / 銀河 / 大光度X線源 / 低光度AGN / スペクトル / 通常銀河 |
Research Abstract |
本研究は,観測的手法を用いて活動的銀河核(Active Galactic Nuclei ; AGN)からのX線の放射機構を理解することを目的としている。AGNは多くの銀河の中心に存在し、巨大質量ブラックホールに物質が落ち込むことで莫大なエネルギーを放射している。この際に本質的な役割を果たしていると考えられている、ブラックホールのまわりで落ち込む物質が作る円盤(降着円盤)の構造を理解することが重要である。本年度は、当初計画したように、質量降着率の非常に小さい場合と大きい場合に着目した研究を進め、質量降着とX線放射機構の全体像を把握するよう研究を行った。 まず、特に質量降着率の小さい例として、近傍の銀河のうち巨大質量ブラックホールが中心に存在しているにもかかわらず、中心核がほとんど活動性を示さないもののチャンドラ衛星によるデータの解析を進めた。その結果、X線以外の波長で活動性が見られないものにもX線中心核を持つものが多数(7個中5個)存在することを明らかにし、多くの銀河中心核に巨大質量ブラックホールが存在することを、これまでとは別な手法で示した。また、また中心核ごく近傍に存在する高温ガスの量を同じデータから評価し、ガス密度などと中心核の明るさとは直接関係ないことを示した。このことは、燃料の量だけでなく、他のパラメータ(例えば磁場)も質量降着を放射に転化する効率を決めていることを示している(論文はTerashima, Ho, & Ulvestadとして投稿準備中)。 次に、質量降着率が大きい例と考えられている、狭輝線セイファート銀河についてニュートン衛星のデータを用い、これまでに知られていなかったスペクトル変動(明るくなると見かけの温度が下がる)を発見した。この結果は、非常に質量降着率の大きい降着円盤として理解でき、狭輝線セイファート銀河が実際に質量降着率が高くブラックホール成長の理解に重要なクラスであることを示した(論文はHaba, Terashima, Kunieda, & Ohsugaとして投稿中)。また関連する天体として近傍銀河M51中に存在する大光度X線源も用い質量降着率の大きい降着円盤の理解を進めた。 以上の結果をまとめ、様々な質量降着率の放射機構の統一的描像を得た。 この他に質量降着とブラックホール環境の関係、AGNの形成と進化、母銀河との関係などの重要課題に関連する研究として、爆発的星生成を伴う銀河の中心核のAGNについての研究も進めた。
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