Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
宇宙で最初に形成された星は、その後の宇宙の進化において、たとえば重元素汚染や宇宙の再電離といったようにきわめて重要な影響を与える可能性がある。そこで、本研究では具体的にこの影響がどのようなものであるか明らかにする目的で、第一世代星の第二世代星形成過程への影響を考察し、第一世代星からの輻射場中での星形成過程を解析した。その結果、原始ガス中では周囲からの輻射が強くなればなるほど、形成される星の質量が小さくなることがわかった。これは原始ガス中でも低質量星が形成される新しい可能性を示すもので、非常に重要な結果である。また、宇宙初期の構造形成理論の観測による確認を目指して、宇宙初期天体形成過程の観測可能性に関しても考察した。宇宙で最初の星である第一世代星形成過程は、我々からの距離が遠すぎるため、さすがに次世代観測機器によっても不可能という結果になった。しかしながら、金属度が少ないガスから大中質量原始銀河が形成される過程は、赤方偏移が8程度までは、10年後あたりに計画されている次次世代観測機器で可能であることが分かった。上記の研究課題を遂行するため、オックスフォード大学 物理学教室のJ.Silk教授のもとに平成15年4月から11月まで滞在して、研究うち合わせをおこなった。
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