創薬を目的とした吸血性節足動物唾液腺の生理活性物質の探索と特性解明
Project/Area Number |
01J06974
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
寄生虫学(含医用動物学)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊澤 晴彦 三重大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 第XII因子 / 接触相 / 吸血性昆虫 / ハマダラカ / 高分子キニノゲン / ブラジキニン / 生理活性物質 / 唾液腺 |
Research Abstract |
本研究は、吸血性昆虫やダニの唾液腺に含まれ、宿主動物の血液・血管・皮下組織に特異的に作用する生理活性分子を探索し、その構造・活性特性・作用機序を解明するとともに、これらを新規な医薬の素材として開発利用することを目的としている。前年度までに、研究材料とした3種の吸血性節足動物(ブラジルサシガメ、ハマダラカ、フタトゲチマダニ)の唾液腺蛋白質遺伝子の網羅的解析と生理活性のスクリーニングを行い、十数種類の新規な生理活性蛋白質を見いだすことに成功した。このうち興味深い新規な生理活性物質として、接触相阻害活性物質・トロンビン阻害活性物質・血小板凝集阻害活性物質等が複数見いだされ、これら分子の詳細な機能解析を進めている。特に本年度は、接触相活性化を強力に阻害しブラジキニン産生を抑制することで、吸血部位での炎症や発痛を抑制すると考えられる生理活性蛋白質(計5種類)に着目し、その詳しい作用機序の解明を試みた。その結果、これらの蛋白質は、接触相活性化に関わる血液凝固第XII因子および高分子キニノゲンに特異的に結合することで、これら因子の異物表面への結合を阻害することが明らかとなった。さらにこれら接触相阻害分子は、標的因子上の異物面結合ドメインに亜鉛イオン依存的に結合することも明らかにした。すなわち、第XII因子に対してはN末端側のフィブロネクチンII型ドメインに、一方、高分子キニノゲンには軽鎖中の第5ドメインに結合することを実証した。また、これら生理活性物質の分子構造解析に向けた組換え蛋白質の大量発現系の確立、ならびに医薬への応用を見据えた分子改変を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)