移民エスニシティの長期的変容と現在:歴史社会学的理論枠組による検証
Project/Area Number |
01J07665
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
南川 文里 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | エスニシティ / 人種 / 国際移民 / 日系アメリカ人 / アメリカ研究 / 歴史社会学的 / ナショナリズム / 移民 / エスニック・スタディーズ / 人種エスニック関係 |
Research Abstract |
平成15年度は、9月および12月にアメリカ合衆国で行った海外調査にもとづき、アメリカにおける人種エスニック関係の理論的・実証的な検証を中心に研究をすすめた。 まず、日系アメリカ人をめぐる人種関係について都市の空間編成との関連で考察した。ここでは、ロスアンジェルスのリトルートーキョーが形成される過程に注目し、日系移民人種化が、アメリカの集団間序列関係のなかにエスニック集団としての位置を見いだすことであった点を明らかにした。さらに、20世紀前半の日系移民社会の編成を歴史社会学的に分析し、白系アメリカ人をめぐる「人種」と「エスニシティ」の概念的な関係を明らかにした。以上の研究を通して、エスニシティ研究と人種研究のあいだで分裂してきた日系アメリカ人研究の統合を提案した。 また、1960年代以降のポスト公民権期と呼ばれる歴史的文脈における人種エスニック関係にも注目した。とりわけ、1960年代末に、「同化」理念を否定し、エスニックな多元主義を定着させたエスニック・スタディーズ運動の展開を知識社会学的に考察し、関東社会学会大会において「エスニック・スタディーズの誕生」という題目で発表した。 最後に、以上の成果を、「人種エスニック編成(ethno-racial formation)」という理論枠組として一般化した。ここでは、ナショナリズムという土台のもとにエスニシティおよび人種の概念を位置づけることによって、それぞれ「水平的な差異化」と「垂直的な序列化」という二つの異なった方向性を持つ社会関係概念として再定義した。そして、この枠組が、複雑な現代アメリカ社会の状況を理解するとともに、比較社会学的な研究への応用も可能になることを示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)