自然科学的評価と整合させた干潟生態系機能の社会経済的評価システムの構築
Project/Area Number |
01J07883
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Civil and environmental engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂巻 隆史 東北大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 干潟 / 有機物 / ベントス / 自然科学モデル / 社会経済モデル / 生態系評価 |
Research Abstract |
1.空間的に異なる干潟の水質浄化・生物生産機能を、底質の有機物含有量を主要パラメータとして自然科学に評価するモデルを作成するため知見を現場調査より収集した。 ○有機物含有率が異なる4地点の干潟底質における有機物含有率の長期変動特性、および流れ・波に伴うせん断力の時間変動との関係を解析した。低含有率の場における両者の時間変動には関連がみられたが高含有率の場ではみられなかった。空間的な比較では、底質の有機物含有率はせん断力の低い地点ほど高かった。 ○平穏時の干潟における有機物収支を異なる底質の有機物含有率の場でそれぞれ計測し、有機物含有率の高い干潟底質からは有機物が流出、逆に低い底質には蓄積する傾向が示された。これは、底質の有機物含有率がこの場の短期的な水質や有機物収支を支配していることを示唆している。長期的な収支を考えた場合には、イベント的に有機物が大量に底質に蓄積する、あるいは逆に底質から流出するなど、平穏時と逆の現象が起きている事が推察された。 ○有機物含有率の異なる底質を有する干潟で、微生物による有機物の分解および生産活性を調査した。炭素含有率の1%前後までは、その上昇と共に分解および生産の活性が増大する傾向が示された。分解は基質としての有機物の増加、生産は場のせん断力が低下することによる藻類密度の上昇によると推察された。 2.自然科学的モデルによって評価される干潟生態系の水質浄化・生物生産機能を、社会経済的評価に結合する手法の検討と課題の整理を行った。 ○自然科学的評価から導かれる干潟生態系の水質浄化・生物生産機能を、顕示選好型の社会経済評価モデルに導入することを検討した。その結果、干潟よりも大きな空間スケールで、干潟の機能がもたらす水質等への影響評価が必要と考えられ、その精度は現時点では自然科学-社会経済結合型の定量的な機能評価を行ううえで不十分であり、干潟生態系機能の自然科学的評価手法の充実が課題と考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)