Wntシグナル伝達因子Dishevelledによるアクチン細胞骨格の制御機構
Project/Area Number |
01J07913
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西田 満 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | アクチン細胞骨格 / cofilin / slingshot / LIMキナーゼ / シグナル伝達 / PI3キナーゼ / insulin / PTEN / Wnt / confilin / RNAi / siRNA |
Research Abstract |
アクチン細胞骨格制御因子であるcofilinは様々な細胞外因子によって脱リン酸化が引き起こされることが知られており、それにはcofilin特異的なフォスファターゼであるslingshot (SSH)が関与していることが予想される。しかし。cofilinの脱リン酸化やSSHの活性化を制御する細胞内シグナル伝達機構についてはほとんど明らかにされていない。これを明らかにすることは、Wntを含む様々な細胞外因子によるアクチン細胞骨格の再構築の制御機構を理解する上で重要である。私はこのことを解析するため、LIMキナーゼの活性化や細胞運動を引き起こすことが知られているinsulinを用いて、SSHの関与とそのシグナル伝達機構のついて解析を行った。その結果、培養動物細胞においてinsulin刺激はPI3キナーゼの活性依存的にSSH1Lのフォスファターゼ活性の上昇とcofilinのリン酸化量の低下を引き起した。また、SSH1Lは、PI3キナーゼの触媒産物であるPIP3やそれによって活性化されたAktと共に、インスリン刺激によって形成される細胞膜の突出部位に蓄積することが明らかになった。その部位にはcofilinの蓄積もみられたが、リン酸化cofilinはほとんど検出されなかった。このことは、膜突出部位には脱リン酸化型のcofilinが主に局在していることを意味している。PIP3はがん抑制遺伝子であるPTENによって脱リン酸化されるが、細胞内にPTENを過剰発現させた結果、cofilinのリン酸化量が上昇した。さらに、PTEN遺伝子欠損マウス由来の線維芽細胞ではリン酸化cofilin量の顕著な低下がみられた。これらの結果は細胞内のPIP3がSSH1Lの活性化とcofilinの脱リン酸化に関与していることを強く示唆している。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)