偏性嫌気性細菌由来のリジン脱炭酸酵素の高次構造及び活性発現調節機構の解明
Project/Area Number |
01J08017
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高塚 由美子 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | Selenomonas ruminantium / リジン脱炭酸酵素 / オルニチン脱炭酸酵素 / ATP依存性プロテアーゼ / 分量制御因子 / リボソームタンパク質 / アンチザイム / 分解制御因子 |
Research Abstract |
グラム陰性の偏性嫌気性細菌Selenomonas ruminantiumのべプチドグリカンに共有詰合したポリアミンの一種、カダベリンは、細胞分裂に必須の構成成分である。本菌のカダベリンを合成するリジン脱炭酸酵素(LDC)はオルニチンも認識し、一次構造はオルニチンに特異的な真核生物のオルニチン脱炭酸酵素(ODC)と高い相同性を持つ。一方で、本酵素は生育の定常期初期に急激に分解される厳密な発現親節を受けている。本研究は、本酵素の構造と基質認識機構との相関の分子レベルでの解明、および分解制御機構の解明を目的にしており、今年度までに以下の成果を得た。 1.本酵素と真核生物ODCとの比較から、基質認識に関与すると推定した活性中心周辺の5アミノ酸残基に変異を導入し、オルニチンに対する特異性が70倍に高まったLDC変異酵素の作製に成功した。現在、大腸菌で大量発現させた組換え体LDCを用いて結晶化のスクリーニングを続行中である。 2.本菌の細胞質画分を用いた本酵素のin vitro分解活性測定系を確立し、LDCの分解にATP要求性プロテアーゼが関与すること、本プロテアーゼは活性にMgイオンおよびジチオスレイトールを要求し、セリンプロテアーゼ阻害剤PMSFにより阻害を受けることを解明した。 3.本菌の細胞質画分中にLDCと親和性を持つ22kDaおよび25kDaのタンパク質を見出し、このうち22-kDaタンパク質(P22)がLDCの分解を促進する分解促進因子であること、また遺伝子解析からグラム陽性菌のリボソームタンパク質L10と高い相同性を有すること、プトレシンにより誘導を受けLDCと、ほぼ同時期に分解消失すること、菌体内存在量はLDCの1/10-1/2であることを解明した。LDCに対するP22の解離定数は8.5μMであった。 現在、動物細胞ODCの分解制御因子であるアンチザイムとの関連性を検討しながら、P22とLDC分解制御機構について解析を進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)