聞き手反応における「共感伝達的」非言語コミュニケーションの機能について
Project/Area Number |
01J08110
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
若島 倫子 (生田 倫子) 東北大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員DC2
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 共感 / 非言語コミュニケーション / 臨床心理 / カウンセリング技法 |
Research Abstract |
研究1)-共感認知項目の作成と共感特性尺度(IRI-J)との関連性について- 本実験:被験者はW大学学生46人。初対面の同性2人組計23組に振り分けられ、聞き手役・話し手役に設定された。聞き手役は、28項目からなる多次元尺度(以下、IRI-J)を測定する質問紙に記入した。 結果:バリマックス回転の結果、2因子が抽出された。因子1は一般的な共感傾向と考えられる「共感認知因子」、因子2は会話に関連する傾向と考えられる「コミュニケーション満足因子」と命名された。因子1の項目得点の合計を共感認知項目得点とし、聞き手役に行ったIRI-Jの合計得点との相関を調べたが、相関は見られなかった。従来のセラピスト教育は共感特性がクライエントの共感認知に比例するという大前提があったが、それが実験的に確認されたことは無かった。本研究で相関は全く見られないことが明らかになった。よって、クライエントの共感認知は、セラピストの共感特性ではなく、コミュニケーション様式に相関する可能性がある。 研究2)-共感はどのような"コミュニケーション"によって示されるのか- 「共感認知得点高群」10人と「共感認知得点低群」10人を独立変数とし、会話状況において重要な役割をしめるマネージメント言語である「反応を示すうなずき」「笑顔」「笑い声」「視線」(長谷川ら,1998)、とクライエント中心療法によって示されてきた、「相手の発言を繰り返すような言語行動」「相手に同意を示す言語行動」の六つを従属変数として、分析を行った。 結果:本研究におけるコミュニヶーション変数6項目において、共感されていると高く評価された群と低く評価された群の違いは笑顔のみであるということが分かった。また、反応を示すうなずきと同意を示す言語行動は頻出するほど共感低評価となる事が示された。従来のカウンセリング技法の常識とは異なる研究結果であると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)