Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
フィールドにおける銀河の進化を初期宇宙の時代まで遡って調べるため、Hubble Deep Field領域のHST WFPC2/NICMOSのアーカイブデータの解析に加えて、すばる望遠鏡を用いて、この領域をK'-バンドで10時間以上に渡って撮像観測し、K'-バンドにおいてこれまでにない深さのデータを得た。このK'-バンドのデータによって得られる赤方偏移3を越える時代の銀河の静止系可視域の情報を用いて、これらの銀河の質量分布を調べたところ、静止系紫外域では非常に明るい銀河でも、それを構成する星の総質量は比較的小さいということが分かった。又、これらの銀河の恒星質星と色を比較したところ、恒星質量が大きい銀河ほど赤い色を示しているという結果が得られた。これは銀河の質量とその形成時期との関係を示唆するものである可能性があり非常に興味深い。又、その静止系可視域での銀河の形態を調べてみると、イレギュラーであったり非常にコンパクトであったりと、これらの銀河の恒星質量の空間分布は近傍で見られるものとは異なっていることがわかった。さらに、得られたK'-バンドの情報を用いて、改めてこの領域の銀河の色等級図上の分布をより暗い領域まで調べたところ、K19.5等を境にそれより暗い領域では大半の銀河が青い色を示し、赤い銀河の数が減少していることが分かった。さらにphotmetic red-shift法によって赤方偏移別に分解して調べてみると、上に述べた赤方偏移1を越えたところでの明るい早期型銀河の減少に加えて、中間赤方偏移において比較的低光度で赤い銀河の数が減少しており、これらの双方が合わさって色等級図上の分布のfeatureの原因となっていると考えられる。他の領域の銀河の色等級分布においても同じような分布が見られており、これらは銀河の質量によってその形成時期や星形成史が異なっていることを示唆していると考えられる。
All Other
All Publications (2 results)