次世代地熱開発における天然き裂ネットワークの構造評価
Project/Area Number |
01J08200
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
資源開発工学
|
Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management (2002) Tohoku University (2001) |
Principal Investigator |
狩野 真吾 国土交通省, 国土技術政策総合研究所・沿岸海洋研究部・沿岸防災研究室, 研究官
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 花崗岩 / 深部地熱開発 / 冷却き裂 / 熱伝導方程式 / 平行六面体構造 / 引張り応力 |
Research Abstract |
本研究では、深部地熱開発における地熱貯留層の性能を評価することを目的として、地下深部の花崗岩体中を対象にフィールド調査や室内実験・数値解析をおこない、花崗岩体中のき裂構造の成因の解明を目指した。昨年度までのフィールド調査や室内実験の結果、花崗岩体中に発達するき裂の多くは、岩体がマグマの冷却・固結によって生成する過程において、その内部に熱収縮応力が発生し、その結果生ずる冷却き裂であることが明らかとなった。 最終年度となる本年度は、花崗岩体中に存在する冷却き裂の発生過程について、計算機シミュレーションをおこなった。すなわち、花崗岩体の冷却が進む過程において、岩体内部にどのような熱応力分布が生じるのか検討するため、岩体を中実円柱の弾性体とみなし、そのまわりで無限の広がりをもった一定温度(0℃)の母岩と接しているというモデルを想定して、岩体内部の熱応力分布を円柱座標における熱伝導方程式から計算した。その結果、岩体の表面付近で接線方向の熱応力が引張り応力となり、この影響で母岩との接触部から垂直にき裂が発達すると考えられる。また、母岩との接触部に平行なき裂は、岩体の上昇過程で発生した引張りき裂の可能性が高い。 以上の結果より、花崗岩体中に発達するき裂の成因は次のようにまとめられる。すなわち、現在地表にあらわれている花崗岩体中の多くのき裂構造が平行六面体であるのは、基本的には岩体冷却時の熱応力と岩体上昇時の封圧解放にともなう引張り応力が影響を及ぼした結果であると考えられる。また、その際に発生する冷却き裂の方位は、岩体が母岩や周囲から受ける広域適応力場と密接に関係していることも注意すべき点である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)