Y-Mn-Feアモルファス合金の構造不規則性とスピン揺らぎに関する研究
Project/Area Number |
01J08296
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
太田 元基 東北大学, 大学院・工学研究科, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | スピン揺らぎ / アンチインバー効果 / インバー効果 / スピングラス / 熱膨張測定 / 比熱測定 |
Research Abstract |
本研究で着目しているMnおよびFeの合金や化合物では、スピングラス、インバー効果およびアンチインバー効果など非常にバラエティーに富んだ磁性が観測される。本研究ではこれらの個々にユニークな現象が、電子数および結晶構造に強く依存することを予想し、これらのパラメーターを実験的に制御することを試みた。 Y_6(Mn_<1-x>Fe_x)_<23>化合物のMn-rich側で、観測される熱膨張の異常にアンチインバー効果が現れる。アンチインバー効果はスピン揺らぎの振幅の熱的増加によるものであることを結論付けた。さらに、電子配置を考慮に入れた観点から、スピン揺らぎの振幅が電子数の増加と共に減少し、アンチインバー効果からインバー効果へと変化することが説明された。 また、Y_6(Mn_<1-x>Fe_x)_<23>化合物の中間組成領域における、磁気秩序の消失が、熱処理条件の不備によるものであると推測し、熱処理条件の改善について述べている。その結果、今まで磁気秩序の存在が確認されていなかった組成領域において、スピングラス相の存在が確認され、本化合物の磁性は局所環境によって特徴付けられることが明瞭になった。さらに、最隣接磁気モーメント間に働く交換相互作用が電子数の増加と共に反強磁性的から強磁性的に変化することが確認された。 以上の結果をY_6(Mn_<1-x>Fe_x)_<23>化合物と同一組成のアモルファス合金に対するスピン揺らぎと交換相互作用の変化および結晶との比較することにより、本化合物系において電子数および構造の2つのパラメーターを明確に定義することによって、従来別々の現象として考えられていた、スピングラス、インバーおよびアンチインバー効果を包括的に取扱い議論が行われた。MnおよびFe合金の磁性が局所の電子数や結晶構造の影響を強く反映し、これらのわずかな変化が磁性に多様性をもたらしていることが実験的見地から初めて解明された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)