量子共鳴効果を用いた熱ふく射制御と熱光起電力発電への応用
Project/Area Number |
01J08440
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋 均 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 熱放射 / 回折格子 / 微細構造 / 高温 / TPV発電 / 共鳴 / マイクロキャビティ / 選択エミッタ / 微細周期構造 / 熱ふく射 / 熱発電 |
Research Abstract |
本研究では、材料表面に作製したマイクロ-ナノスケールの周期構造を利用した新しい熱放射スペクトルの制御法に関し、数値計算と実験による基礎的研究を行い、得られた知見を熱放射を利用したシステム、とくに熱光起電力(TPV)発電へ応用することを目的とする。昨年度までの2年間で、Rigorous Coupled-Wave Analysis (RCWA)法に基づく数値解析により、本研究で対象とするTPV発電用の熱放射素子(選択エミッタ)と太陽光選択吸収材料を実現するための設計パラメータをそれぞれ周期1.0μm及びアスペクト比1.0、周期0.5μm及びアスペクト比1.0と決定した。また、二つの高周期性アルミナ膜及び電子線描画の二つのリソグラフィ技術と高速原子線エッチングにより、バルクのタングスチン(W)基板上に設計値に基づく微細な周期構造を製作することに成功した。さらに、それらの吸収・放射特性を実験的に評価し、表面微細構造により所望のスペクトル特性が得られることを実証した。 本年度は、微細加工選択エミッタの最適化を行うと共に、実際に作製した選択エミッタを用いてTPV発電実験を行った。実際の試料の製作に当たっては製作誤差が不可避であり、それを考慮して改めて設計を行い、周期1.0-1.2μmの試料を作製した。これにより可視〜2.0μmの放射率が増大し、波長特性が改善された。また、微細構造のパラメータを変化させた試料の放射特性の比較から、今回得られた熱放射特性の変化は、主としてマイクロキャビティ効果に起因することが実験的に示された。 市販品のInGaAsフォトダイオート(感度波長0.9-1.7μm)をPVセルとして作製したW選択エミッタを用いて発電実験を行い、選択性の無いSiCエミッタ(放射率0.9)及び平面Wエミッタを用いた場合の発電特性と比較検討した。実験の結果、W選択エミッタはその熱放射光の大部分をPVセルの感度内に放射するためにSiCエミッタよりも効率が2〜3倍高いことが示された。また、放射強度もSiCエミッタと同程度の値が得られ、今回作製したW微細周期構造が高効率・高発電密度を両立する優れた選択エミッタとして振舞うことが確認された。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)