ペロブスカイト型構造を有する強相関電子系酸化物における電子相分離状態とその安定性
Project/Area Number |
01J08567
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
荒尾 正純 早稲田大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ペロブスカイト型構造 / 強相関電子系酸化物 / 電子相分離 / 構造相転移 / ヤーンテラー型 / 透過型電子顕微鏡 / ヤーンテラー歪 |
Research Abstract |
1.強相関電子物質では、強相関絶縁体にホールを導入し、通常の金属相へ移行する際の遷移領域において、電子相分離やストライプ構造等のナノスケールオーダーの2相分離状態が存在する。前年度までに我々は、共存する2相のうち、強相関絶縁体であるRTiO_3(R:希土類イオン)の結晶学的特徴について透過型電子顕微鏡を用いて調べた。得られた結果を踏まえ、本年度はY_<1-x>Ca_xTiO_3の遷移領域の結晶学的特御について明らかにした。 従来の報告から、Y_<1-x>Ca_xTiO_3はCa量の増加に伴い、x=0.35付近で絶縁体相から金属相へ相変化する。またこの組成付近の試料では、室温からの温度低下こ伴い絶縁体-金属転移を示す。我々は本酸化物の結晶学的特徴を粉末X線回折法および透過型電子顕微鏡を用いて調べ、絶縁体相および金属相の結晶構造がそれぞれ単斜晶系ならびに斜方晶系であることを見出した。また、遷移領域の試料は室温で単斜晶相と斜方晶相の2相共存であり、温度低下に伴って斜方晶相の体積比率が増大することが分かった。この結果から、本酸化物での絶縁体-金属転移は物性の異なる2相の体積比率変化により生ずると結論付けられる。 2.強相関電子系酸化物La_<1-x>Sr_xMnO_3の低ドープ領域には軌道整列相が存在する。この軌道整列はヤーンテラー歪の存在で特徴づけられるが、その詳細は明らかでない。そこで我々は、軌道整列に伴う構造相転移の詳細を、粉末X線回折法および透過型電子顕微鏡を用いて調べた。その結果、軌道整列に伴う構造相転移偉ヤーンテラー歪の導入だけでなく単斜晶歪の導入・斜方晶歪の増加・さらにはLa/Srイオンの変位量の変化を伴うことが理解された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)