Project/Area Number |
01J08612
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
野口 雅弘 早稲田大学, 政治経済学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ウェーバー / ヴァールゴルク / フェーゲリン / 全体主義 / 近代 / 西洋 / 普遍 / マックス・ウェーバー / 自然法 / ポリフォニー / エリック・フェーゲリン / ゲオルク・ジンメル / 闘争 |
Research Abstract |
昨年度執筆した「ウェーバーと自然法」と題する論文では、ウェーバーの著作における西洋、近代、禁欲的プロテスタンティズムの間にある齟齬に注目し、ポリフォニックな西洋的秩序の理念型を抽出した。本年度の研究は、こうした視座を、彼の「音楽社会学」の議論と対応させることで傍証し、また同時代の芸術史家アビ・ヴァールブルクのイコノロジーと対比しながら明確化しつつ、こうした作業を基礎にして一本の論文と一つの研究発表を行なった。 まず、論文「ウェーバーと全体主義再考--エリック・フェーゲリンの視角から」(『年報政治学』投稿中)では、冷戦の終焉以降の、主にドイツにおける「全体主義研究ルネサンス」において注目を集めているフェーゲリンの「政治宗教」「グノーシス主義」の視角から、ウェーバーとナチズムの親近性を問題にする従来の解釈(モムゼン・パラダイム)を批評し、「文明の衝突」が言われる状況におけるウェーバーの政治理論の意義を示した。この際とくに、ウェーバーの多神論が、対立を止揚しようとする近代的普遍主義と全体主義に共通する「殲滅」の傾向性に対して、一定の歯止めになっていることを強調した。 次に「『ウェーバーと近代』から『ウェーバーと西洋』へ---ウェーバーの著作における静養・近代・普遍」・(「思想史の会」、第30回研究会、2003年12月21日、於法政大学)では、西洋化=近代化=普遍化(=アメリカ化)という近代化論の前提のもとで理解されてきたウェーバー解釈の時代拘束性を指摘し、それを相対化しながら、彼の理論は近代的な普遍主義ではなく、「西洋」的な、つまり異文化に開かれた、多元主義的普遍主義であると論じた。この発表の内容は近日、論文で発表する予定である。
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