シャペロニンによるタンパク質折れたたみ機構の一分子蛍光イメージング
Project/Area Number |
01J08720
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上野 太郎 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | シャペロニン / GroEL / タンパク質の折れたたみ / 1分子蛍光イメージング |
Research Abstract |
シャペロニンGroELは、ATP加水分解を伴いながらGroESと結合解離を繰り返し、タンパク質の折れたたみを助ける。これまでに我々は1分子蛍光イメージング法を用いて、この反応サイクルが時定数3秒、5秒の2つの律速過程から構成されていることを明らかにした。また、GroELに結合した酸変性GFPの折れたたみは、GroESが結合した後の3秒間抑制されており、ATP加水分解後に進行するという新しいモデルを提案した。このモデルを検証するためには、GroEL-GroES複合体内部での基質タンパク質の動きを直接観察する必要がある。 そこで、蛍光共鳴エネルギー移動法(FRET)を利用してGroELのApical Domain(315番目のアミノ酸残基)と基質タンパク質の距離の変化を観察した。まず、蛍光色素IC5(acceptor)をGroEL変異体(E315C)に、蛍光色素Cy3(donor)を基質タンパク質(緑色蛍光タンパク質:GFP)に結合させた。酸変性させたGFP-donorをGroEL-acceptorに結合させたところ、FRETによりドナー蛍光強度が減少した(61%のFRET効率)。さらに過剰量のGroES存在下でATPと混合すると、0.5秒でFRET効率が46%に下がり、3秒で再び65%まで上昇した後、続く3.3秒でほぼFRETが解消された。GFPがGroES結合後3秒間折れたたみが阻害されていることを考慮すると次のような結論を得られる。すなわち、GroEL-GFP複合体にGroESが結合することでGFPが0.5秒で内部空洞下方に落とし込まれ、3秒後に空洞内に浮き上がった後、3〜4秒でGroESが解離して外部に放出される。この結果は、GroEL依存的に折れたたむMalate Dehydrogenaseを基質タンパク質に用いたときも同様に得られ、基質タンパク質の種類によらず、3秒間の折れたたみ阻害が起こると推察された。以上は、従来の反応モデルを大きく修正するものであり、本モデルにより基質タンパク質がGroEL内部に高効率で取り込まれる理由が初めて説明された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)