Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
深部体温や活動リズムの研究から,サーカディアンリズムの振幅は,加齢に伴って低下し,位相前進することが明らかにされている.そのため,高齢者では就床時刻や起床時刻が著しく早くなり,夜間の中途覚醒や日中のうたた寝が増加するなどの愁訴が多い.健常成人は朝目覚めて夜眠るという単相性の睡眠-覚醒パターンを示すが,高齢者では夜間に中途覚醒が増え日中にうたた寝が増えるという多相性の睡眠-覚醒パターンが優勢になる.これと類似した睡眠-覚醒パターンは乳幼児でも認められるが,乳幼児では発達に伴い,健常成人に近い単相性の睡眠-覚醒パターンへと移行する.その背景として日中の身体的・精神的活動量の増加を想定することができる. 本年度は,昨年度に引き続き,高齢者の睡眠改善のひとつのモデルとして,乳幼児の日中の活動量と睡眠-覚醒パターンの関係に注目し,小型活動量記録計(アクチウォッチ)と生活日誌を用いた研究を行った.新生児8名を対象に,出生2時間以内にアクチウォッチを取りつけ,2〜6ヶ月間の睡眠-覚醒パターンを記録した.1週間ごとにデータを集計して分析した結果,出生直後の新生児は2〜3時間周期の多層性の睡眠-覚醒パターンを示すが,生後2〜3週目になると24時間の昼夜の覚醒-睡眠パターンが現われはじめることが分かった.この結果の一部は,助産婦資格を持つ大学院生河野との共著で大学紀要に発表した.しかし,周囲の環境や社会的接触の影響については検討が不十分であるため,今後は得られたデータを再整理し,個人差についての詳細な検討を行う.また,本研究を通じて,睡眠-覚醒パターンの加齢による変化を中高年者を対象に縦断的に調査する必要性が示された.
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